先に要点
- CIDR(サイダー)は、IPアドレスの範囲を
192.168.0.0/24のように「IP+スラッシュ+数字」で表す書き方です。スラッシュの後の数字は 先頭から何ビットが「ネットワーク部」かを表します。 /24なら先頭24ビットがネットワーク部、残り8ビットがホスト部。これは サブネットマスク255.255.255.0と同じ意味です(マスクの中の1のビット数が24個)。- アドレス数は残りのホスト部のビットで決まります。
/24は 2の8乗=256個、実際に機器に割り当てられるのは先頭・末尾を除いた254個が基本です。 - 数字が 小さいほど範囲が広く(
/16は6万台超)、大きいほど狭い(/32は1台だけ)。この感覚を持つと読み書きが速くなります。 - 実務では AWSのVPC/サブネット設計、ファイアウォールの許可範囲、ルーティングで必ず出てきます。「どのIPの範囲を指すか」を一言で書けるのがCIDRの価値です。
192.168.0.0/24 の「/24」って何? ── ネットワークやAWSを触ると必ず出てくるのに、なんとなく流している人が多い表記です。CIDR(Classless Inter-Domain Routing)は、IPアドレスの「範囲」を短く正確に表す書き方です。ここを理解すると、サブネット設計もファイアウォールの設定も、ぐっと読みやすくなります。
この記事では、CIDRを 基本の読み方 → /24の中身 → サブネットマスクとの関係 → なぜ使うのか → よく使う早見表 → 実務の使いどころの順で整理します。仕様は IETF(RFC)と、AWS公式の CIDR 解説を確認しながらまとめています。
CIDR表記とは(IPの範囲を/数字で表す)
CIDR表記は、IPアドレスと、その後ろにスラッシュと数字を付けて、アドレスの「範囲(ネットワーク)」を表す方法です。例えば 192.168.0.0/24 は、単独のIPではなく 192.168.0.0 から 192.168.0.255 までのひとまとまりを指します。
IPアドレス(IPv4)は32ビットの数字で、前半が「どのネットワークか(ネットワーク部)」、後半が「その中のどの機器か(ホスト部)」に分かれます。CIDRのスラッシュ後の数字は、先頭から何ビットまでをネットワーク部にするかを表します。/24 なら先頭24ビットがネットワーク部、残りの8ビットがホスト部です。
/24 の読み方(ビットとアドレス数)
いちばんよく見る /24 を分解します。IPv4は全部で32ビットなので、/24 は ネットワーク部24ビット+ホスト部8ビットです。
| 項目 | /24 の場合 |
|---|---|
| ネットワーク部 | 先頭24ビット(固定) |
| ホスト部 | 残り8ビット(この中で機器を区別) |
| 総アドレス数 | 2の8乗 = 256個 |
| 使えるホスト数 | 256 − 2 = 254台 |
| 同じ意味のサブネットマスク | 255.255.255.0 |
「−2」されるのは、範囲の先頭アドレス(ネットワークアドレス、例 192.168.0.0)と末尾アドレス(ブロードキャストアドレス、例 192.168.0.255)が、機器への割り当てには使えない予約だからです。だから /24 は「256個のうち、実際に配れるのは254台」となります。
サブネットマスクとの関係
CIDRとサブネットマスクは、同じことを別の書き方で表しているだけです。サブネットマスクは 255.255.255.0 のような32ビットの値で、「1が並んでいる部分がネットワーク部」を意味します。
255.255.255.0を2進数にすると、先頭に1が24個並びます。→ これが/24。255.255.0.0なら1が16個。→/16。255.255.255.128なら1が25個。→/25。
つまり CIDRの数字は「サブネットマスクの中の1のビット数」です。古い書き方(マスク)と新しい書き方(CIDR)は相互に変換できる、と押さえておけば混乱しません。
なぜCIDRが使われるのか
CIDRは、1993年にIETFが それまでの「クラスフル」なIP割り当てを置き換えるために導入しました。昔はA/B/Cクラスという固定サイズでしか割り当てられず、「256台では足りないが、6万台分もいらない」ような場合に無駄が大きく、IPv4アドレスの枯渇を早めていました。
CIDRは 可変長サブネットマスク(VLSM)により、/24 や /26 や /20 のように 必要なサイズに合わせて範囲を細かく区切れるようにしました。これでアドレスの無駄が減り、ルーティングもまとめて扱いやすくなりました。「範囲を柔軟に・正確に表せる」ことがCIDRの価値です。
よく使うCIDR早見表
代表的なCIDRと規模感を覚えておくと実務が速くなります。
| CIDR | サブネットマスク | 総アドレス数 | ざっくり用途感 |
|---|---|---|---|
| /32 | 255.255.255.255 | 1 | 単一IPをピンポイント指定(許可設定など) |
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 小さめのサブネット1つ(定番) |
| /16 | 255.255.0.0 | 65,536 | 大きめのネットワーク(VPC全体など) |
| /8 | 255.0.0.0 | 16,777,216 | 非常に広い範囲 |
| /0 | 0.0.0.0 | 全部 | すべてのIP(0.0.0.0/0=どこからでも) |
特に 0.0.0.0/0 は「すべてのIPアドレス」を意味し、ファイアウォールやルーティングで 「どこからでも許可」「デフォルトルート」としてよく出てきます。逆に /32 は1台だけを指すので、「この1つのIPだけ許可」のような設定で使います。
実務での使いどころ
CIDRは、次のような場面で必ず出てきます。
「この範囲からのアクセスを許可」を203.0.113.0/24のように指定する。/32で単一IPだけ許可も定番。
ルーティング
「この宛先範囲はこちらへ」を0.0.0.0/0(デフォルト)やより狭いCIDRで指定する。
グローバルIPとプライベートIPの違いから整理したい場合は、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違いもあわせて読むと、CIDRで指定する「範囲」の意味がつかみやすくなります。
CIDR表記に関するよくある質問
CIDRの「/24」は何を意味しますか?
先頭24ビットがネットワーク部という意味です。IPv4は32ビットなので、残りの8ビットがホスト部になり、256個のアドレス(実際に機器へ配れるのは254台)を表します。サブネットマスク 255.255.255.0 と同じ意味です。
CIDRとサブネットマスクは何が違いますか?
同じことの別表記です。サブネットマスク(255.255.255.0)は32ビットの値で、その中の「1のビット数」がCIDRの数字(/24)になります。新旧の書き方の違いで、相互に変換できます。
/24 は256台つなげますか?
総アドレス数は256個ですが、先頭(ネットワークアドレス)と末尾(ブロードキャストアドレス)は機器に割り当てられないため、実際に使えるのは 254台です。「256 − 2 = 254」と覚えておくと便利です。
数字は大きいほど範囲が広いのですか?
逆です。数字が大きいほど範囲は狭くなります。/32は1台だけ、/24は256個、/16は65,536個です。ネットワーク部に使うビットが増えるほど、ホスト部が減って範囲が狭まります。
0.0.0.0/0 とは何ですか?
すべてのIPアドレスを意味します。ファイアウォールで「どこからでも許可」、ルーティングで「デフォルトルート(他に該当しない宛先はここへ)」として使われます。安全面では、0.0.0.0/0で広く開けすぎていないか要注意です。
なぜCIDRが使われるようになったのですか?
昔の固定サイズ(クラスフル)の割り当てでは、必要な規模に合わずIPアドレスの無駄が大きかったためです。CIDRは可変長サブネットマスク(VLSM)で範囲を必要なサイズに細かく区切れるようにし、アドレスの節約とルーティングの効率化を実現しました。
まとめ
CIDR表記は、IPアドレスの範囲を「IP/数字」で表す書き方で、数字は 先頭から何ビットがネットワーク部かを示します。/24 なら256個(使えるのは254台)で、これはサブネットマスク 255.255.255.0 と同じ意味です。数字が大きいほど範囲は狭いという感覚と、/32(単一IP)・/24(小さめ)・/16(VPC全体級)・0.0.0.0/0(全部)の代表例を押さえれば、AWSのVPC設計もファイアウォールの許可範囲も迷わず読めるようになります。
参考リンク
- AWS: CIDR とは(CIDR ブロックと表記の説明)
- Wikipedia: Classless Inter-Domain Routing
- 関連記事: グローバルIPとプライベートIPの違い