ファインチューニング(fine-tuning)は、LLM などの既存のAIモデルを、自分が用意したデータでさらに学習させ、モデルの重み(パラメータ)を更新する手法です。元のモデルの一般的な能力の上に、「うちの用途ではこう答えてほしい」という癖を仕込むイメージです。
まず押さえたいポイント
- 変えるのは主に「振る舞い」(出力形式・トーン・分類や判断の一貫性)
- モデル自体を仕込み直すので、推論時に検索の一手間が要らず速い
- 頻繁に変わる知識を覚えさせるのには向かない(更新のたびに学習し直しになる)
どんな場面で使うか
- 出力を必ず決まった形式(JSONなど)で返させたい
- ブランドのトーンや口調を毎回そろえたい
- 決まった分類・判断ルールを一貫して守らせたい
- 大量処理で、小さな専用モデルにした方が安く速いとき
- プロンプトの指示だけでは出力のブレが抑えられないとき
よくある誤解や注意点
いちばん多い誤解は、「最新知識や社内文書を覚えさせるためにファインチューニングする」というものです。変わる知識は、検索して渡す RAG の方が向いています(更新が軽く、出典も示せる)。合言葉は「知識はRAG、振る舞いはファインチューニング」です。
また、ファインチューニングは「モデルを賢くする」手法だと思われがちですが、正確には振る舞いの一貫性を得るもので、元モデルの知識量が劇的に増えるわけではありません。事実の正確さ(ハルシネーション対策)も保証しないため、根拠のある回答が要るなら出典を示せるRAGを組み合わせます。実務ではコストの軽い順に、まずプロンプトの工夫 → RAG → それでも足りなければファインチューニング、と進めるのが定石で、2026年は両方を組み合わせるハイブリッドが定番です。詳しくは ファインチューニングとは?RAGとの違いと使い分け で整理しています。