用語集 最終更新 2026.09.12

Aレコード

Aレコードは、ドメイン名を IPv4 アドレスへ対応づける DNS レコードです。名前解決のいちばん基本的な形で、「この名前で来た通信を、この IP のサーバーへ」という指定そのものです。

example.com.       IN   A      203.0.113.10
www.example.com.   IN   A      203.0.113.10

IPv6 は別のレコード

Aレコードが扱えるのは IPv4 だけです。IPv6 アドレスを設定したいときは AAAA レコード(クアッドエー)を使います。名前は違いますが役割は同じで、両方を同時に設定できます。

両方ある名前に接続すると、多くの環境では IPv6 が優先されます。そのため「IPv6 側だけ設定を間違えている」と、一部の利用者だけつながらないという分かりにくい障害になります。片方だけ変更したときは、もう片方も確認してください。

ルートドメインに置けるのは Aレコードの方

CNAME はドメインの頂点(example.com そのもの)には置けません。頂点には SOA と NS のレコードが必ず存在し、CNAME は他のレコードと共存できないためです。

使い分けの目安

頂点は Aレコード、サブドメインは用途しだい。先方が IP を提示しているなら Aレコード、ホスト名を提示しているなら CNAME。先方がホスト名を指定してくるのは、IP を自由に変えられるようにしておきたいからです。その意図を無視して IP を直接書くと、先方の変更で切れます。

移転のときに実際に困るところ

設定変更そのものより、切り替わり方の理解で差が出ます。

  • 先に TTL を短くする。数日前に短くしておかないと、変更後も古い情報が長く残ります。切り戻したいときも同じだけ待つことになります
  • 新旧の両方にアクセスが来る時間帯がある。世界中のキャッシュが一斉に切り替わることはありません。旧サーバーをすぐ止めないのが鉄則です
  • Aレコードだけ見て終わらない。メールの MX、認証用の TXT、サブドメインの設定は別に存在します。サーバーを移して Web は見えるのにメールが止まる、という事故はここから起きます

変更前に控えておくもの

作業前に、現在の設定を丸ごと控えておきます。戻すときに必要になります。

# 現在の値を確認する(dig が使える環境なら)
dig example.com A +short
dig www.example.com A +short
dig example.com MX +short

「今どうなっているか」を記録せずに変更しない。これだけで、切り戻しの難易度が大きく変わります。

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