先に要点
- ドメインから情報は取れます。大きく2系統あります。①WHOIS/RDAPで分かる「登録情報」、②DNSルックアップ(
dig/nslookup)で分かる「設定されたレコード」です。 - WHOIS/RDAPでは、レジストラ・登録日・有効期限・ネームサーバー・ロック状態(ステータス)などが分かります。ドメインの「戸籍」のような事務的な情報です。
- ただしGDPR(2018年〜)以降、登録者の氏名・住所・メールなどの個人情報は原則非公開(redacted)。誰でも見られるのは事務情報までで、「持ち主が誰か」は基本見えません。
- .com などのgTLDでは、WHOISからRDAPへの移行が進んでいます。ICANNは2025年1月28日に、レジストラと大半のレジストリについてWHOISの提供義務を外しました(RDAPは引き続き義務)。今後はRDAP(構造化JSON・HTTPS)が標準です。
- DNSルックアップは別系統で健在。
dig example.com MXなどでサーバーのIP・メールサーバー・SPF/DKIM/DMARCが分かり、調査やトラブル対処で役立ちます。
ドメイン名だけで、そのサイトの情報って調べられるんだっけ?WHOISみたいに ── 調べられます。ただし「何が分かるか」は2つの仕組みで違い、しかも近年のプライバシー保護でルールが大きく変わりました。
この記事では、ドメインから分かる情報を①登録情報(WHOIS/RDAP)と②DNSレコード(dig/nslookup)に分けて整理し、何が見えて何が見えないか、具体的な調べ方までまとめます。
ドメインから分かることは2系統
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WHOIS / RDAP(登録情報)
ドメインの登録に関する事務情報。レジストラ、登録日・有効期限、ネームサーバー、ロック状態など。持ち主の個人情報は原則非公開。
ざっくり、WHOIS/RDAPは「ドメインの戸籍・契約情報」、DNSは「そのドメインが今どこを指しているかの設定」と考えると分かりやすいです。
① 登録情報:WHOIS / RDAP
WHOIS(およびその後継 RDAP)では、ドメインの登録に関する事務情報が分かります。
分からないこと
登録者の氏名・住所・電話・メールなどの個人情報。GDPR以降は原則非公開(redacted)で、「◯◯ Redacted for Privacy」等と表示される。
かつてWHOISは登録者の連絡先まで丸見えでしたが、2018年のGDPR(EUの個人情報保護法)を機に、個人の登録者情報は伏せられるのが標準になりました。今は「誰の持ち物か」を公開情報から特定するのは基本的にできません。
WHOISからRDAPへ(2025年の移行)
大きな変化として、WHOIS自体が新しい仕組み RDAP に置き換わりました。ICANN(ドメインを統括する組織)は、2025年1月28日をもって、gTLD(.com などの汎用トップレベルドメイン)のレジストラと大半のレジストリにWHOISの提供を求めないことにしました。RDAPの提供は引き続き義務です。ICANNの案内では、.com・.name・.post のレジストリは例外として残っています。義務がなくなっただけなので、WHOISをいつまで続けるかは各事業者しだいで、すでに止めたTLDも多くあります。
RDAPで何が変わる?
利用者から見ると「WHOISで見ていた情報を、これからはRDAPで見る」という移行です。公開される範囲(個人情報は非公開)自体は変わりません。
なお、.jp は ICANN の gTLD 契約の対象外です。JPドメイン名は JPRS が管理していて、登録情報の一部を JPRS WHOIS で公開しています。JPRS WHOIS で非公開の情報は、書面で開示を請求する仕組みがあります。2026年10月時点で、IANA が公開している RDAP の問い合わせ先一覧(ブートストラップ)に .jp は載っていないため、一般的な RDAP ツールでは引けないことがあります。.jp は JPRS WHOIS で調べるのが確実です。
② DNSレコード:dig / nslookup で分かること
もう一つの系統がDNSルックアップです。DNS は、ドメインを実際のサーバーやメール設定に結びつける仕組みで、そこに設定されたレコードを dig や nslookup で引けます。
| レコード | 分かること |
|---|---|
| A / AAAA | ドメインが指すサーバーのIPアドレス(どこにホスティングされているか) |
| MX | メールサーバー(どこでメールを受けているか) |
| NS | ネームサーバー(DNSをどこで管理しているか) |
| TXT | SPF/DKIM/DMARC(メール認証)や所有権確認用の文字列 |
| CNAME | 別ドメインへの別名(エイリアス) |
| SOA | そのゾーンの管理情報(管理者・更新間隔など) |
DNSは公開されている設定なので、個人情報のような制限はありません。MXやTXTを見ればメールの受け先や認証設定が分かり、メール到達性のトラブル調査などで役立ちます。詳しくはメールのDNS基本(MX/SPF/DKIM/DMARC)も参照してください。
具体的な調べ方
ドメイン情報の調べ方
- 1登録情報はRDAP/WHOISツールで
ICANNのRDAPルックアップや各レジストラの検索、あるいは whois コマンドで、レジストラ・有効期限・ネームサーバー・ステータスを確認する。
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実務での使いどころ
取得・期限の確認
欲しいドメインが取得済みか・いつ期限切れか、更新忘れの確認に。
不審なドメインの確認
怪しいメールのドメインの登録の新しさやネームサーバーを見て、判断材料の一つにする。
注意点
個人情報は基本見えない
GDPR以降、登録者の個人情報は非公開が原則。「WHOISで持ち主を特定」は今はできないと考える。
取得した情報の扱い
調べた情報を迷惑行為や悪用に使わない。特にメールアドレス等が見えても、無断の営業送信などはNG。
反映の遅延
DNSの変更は反映に時間差がある。見えている情報が最新とは限らない点に注意。
大量問い合わせの制限
WHOIS/RDAPやDNSツールにはレート制限があることが多い。機械的な大量取得は避ける。
ドメイン情報の取得に関するよくある質問
WHOISで持ち主の名前や住所は分かりますか?
基本的に分かりません。2018年のGDPR以降、登録者の個人情報は原則非公開(redacted)になりました。表示されるのはレジストラや有効期限などの事務情報までです。個人の特定が必要な場合は、正当な理由を示して正規のルートで請求します。
WHOISはもう使えないのですか?
gTLDではRDAPへの移行が進んでいます。ICANNは2025年1月28日にレジストラと大半のレジストリのWHOIS提供義務を外し、WHOISを止めたTLDも多く出ています。.jp は JPRS WHOIS で調べられます。今後はRDAP(構造化JSON・HTTPS)で同様の情報を確認します。見られる範囲は基本的に変わりません。
ドメインが指すサーバーのIPを知るには?
DNSのAレコードを見ます。dig example.com A や nslookup example.com、あるいはオンラインのDNSルックアップツールで確認できます。IPは公開設定なので、個人情報のような制限はありません。
メールがどこで受信されているか調べられますか?
MXレコードで分かります。dig example.com MX で、そのドメインのメールを受けているサーバーが確認できます。あわせてTXT(SPF/DKIM/DMARC)を見ると、メール認証の設定状況も分かります。
コマンドがなくても調べられますか?
調べられます。ICANNのRDAPルックアップや各レジストラの検索、オンラインのWHOIS/DNSツールを使えば、コマンドを使わずブラウザだけで登録情報やDNSレコードを確認できます。
まとめ
ドメインからは情報を取れますが、仕組みは2系統です。WHOIS/RDAPではレジストラ・登録日・有効期限・ネームサーバー・ロック状態などの事務情報が、DNSルックアップ(dig/nslookup)ではサーバーのIP・メールサーバー・SPF/DKIM/DMARCなどの設定が分かります。ただしGDPR以降、登録者の個人情報は原則非公開で、.com などのWHOISは2025年からRDAPへの移行が進んでいます。「持ち主が誰か」は公開情報からは基本分からない一方、取得状況・期限・DNS設定は今も調べられ、移管準備やメールのトラブル調査で役立ちます。
参考リンク
- 関連記事: メールのDNS基本(MX/SPF/DKIM/DMARC) / ドメイン移管で失敗しやすいポイント / 既存ドメインを別サーバーへ移す方法
- 用語集: DNS / ネームサーバー
- 公式: ICANN Lookup(RDAP) / ICANN: RDAP
- 公式: JPRS WHOIS / JPドメイン名登録情報の公開・開示(JPRS)
- IETF Blog: The current state of RDAP