先に要点
- ドメインから情報は取れます。大きく2系統あります。①WHOIS/RDAPで分かる「登録情報」、②DNSルックアップ(
dig/nslookup)で分かる「設定されたレコード」です。 - WHOIS/RDAPでは、レジストラ・登録日・有効期限・ネームサーバー・ロック状態(ステータス)などが分かります。ドメインの「戸籍」のような事務的な情報です。
- ただしGDPR(2018年〜)以降、登録者の氏名・住所・メールなどの個人情報は原則非公開(redacted)。誰でも見られるのは事務情報までで、「持ち主が誰か」は基本見えません。
- WHOISは2025年にRDAPへ移行しました(ICANNが2025年1月にWHOISをsunset、7月末に旧WHOIS公開サービスを廃止)。今後はRDAP(構造化JSON・HTTPS)が標準です。
- DNSルックアップは別系統で健在。
dig example.com MXなどでサーバーのIP・メールサーバー・SPF/DKIM/DMARCが分かり、調査やトラブル対処で役立ちます。
ドメイン名だけで、そのサイトの情報って調べられるんだっけ?WHOISみたいに ── 調べられます。ただし「何が分かるか」は2つの仕組みで違い、しかも近年のプライバシー保護でルールが大きく変わりました。
この記事では、ドメインから分かる情報を①登録情報(WHOIS/RDAP)と②DNSレコード(dig/nslookup)に分けて整理し、何が見えて何が見えないか、具体的な調べ方までまとめます。
ドメインから分かることは2系統
ざっくり、WHOIS/RDAPは「ドメインの戸籍・契約情報」、DNSは「そのドメインが今どこを指しているかの設定」と考えると分かりやすいです。
① 登録情報:WHOIS / RDAP
WHOIS(およびその後継 RDAP)では、ドメインの登録に関する事務情報が分かります。
かつてWHOISは登録者の連絡先まで丸見えでしたが、2018年のGDPR(EUの個人情報保護法)を機に、個人の登録者情報は伏せられるのが標準になりました。今は「誰の持ち物か」を公開情報から特定するのは基本的にできません。
WHOISからRDAPへ(2025年の移行)
大きな変化として、WHOIS自体が新しい仕組み RDAP に置き換わりました。ICANN(ドメインを統括する組織)は、2025年1月にgTLD(.comなど)のWHOISをsunset(廃止方針)とし、2025年7月末に旧来の公開WHOISサービス(ポート43)を廃止する流れを示しました。
RDAPで何が変わる?
利用者から見ると「WHOISで見ていた情報を、これからはRDAPで見る」という移行です。公開される範囲(個人情報は非公開)自体は変わりません。
② DNSレコード:dig / nslookup で分かること
もう一つの系統がDNSルックアップです。DNS は、ドメインを実際のサーバーやメール設定に結びつける仕組みで、そこに設定されたレコードを dig や nslookup で引けます。
| レコード | 分かること |
|---|---|
| A / AAAA | ドメインが指すサーバーのIPアドレス(どこにホスティングされているか) |
| MX | メールサーバー(どこでメールを受けているか) |
| NS | ネームサーバー(DNSをどこで管理しているか) |
| TXT | SPF/DKIM/DMARC(メール認証)や所有権確認用の文字列 |
| CNAME | 別ドメインへの別名(エイリアス) |
| SOA | そのゾーンの管理情報(管理者・更新間隔など) |
DNSは公開されている設定なので、個人情報のような制限はありません。MXやTXTを見ればメールの受け先や認証設定が分かり、メール到達性のトラブル調査などで役立ちます。詳しくはメールのDNS基本(MX/SPF/DKIM/DMARC)も参照してください。
具体的な調べ方
実務での使いどころ
取得・期限の確認
欲しいドメインが取得済みか・いつ期限切れか、更新忘れの確認に。
移管・移転の前確認
ロック状態やネームサーバーを確認して、[ドメイン移管](/articles/domain-transfer-common-mistakes-checklist)や[サーバー移転](/articles/move-existing-domain-to-another-server)の準備に使う。
不審なドメインの確認
怪しいメールのドメインの登録の新しさやネームサーバーを見て、判断材料の一つにする。
注意点
取得した情報の扱い
調べた情報を迷惑行為や悪用に使わない。特にメールアドレス等が見えても、無断の営業送信などはNG。
反映の遅延
DNSの変更は反映に時間差がある。見えている情報が最新とは限らない点に注意。
ドメイン情報の取得に関するよくある質問
WHOISで持ち主の名前や住所は分かりますか?
基本的に分かりません。2018年のGDPR以降、登録者の個人情報は原則非公開(redacted)になりました。表示されるのはレジストラや有効期限などの事務情報までです。個人の特定が必要な場合は、正当な理由を示して正規のルートで請求します。
WHOISはもう使えないのですか?
従来のWHOISは2025年にRDAPへ移行しました(ICANNが2025年1月にsunset、7月末に旧公開サービスを廃止)。今後はRDAP(構造化JSON・HTTPS)で同様の情報を確認します。見られる範囲は基本的に変わりません。
ドメインが指すサーバーのIPを知るには?
DNSのAレコードを見ます。dig example.com A や nslookup example.com、あるいはオンラインのDNSルックアップツールで確認できます。IPは公開設定なので、個人情報のような制限はありません。
メールがどこで受信されているか調べられますか?
MXレコードで分かります。dig example.com MX で、そのドメインのメールを受けているサーバーが確認できます。あわせてTXT(SPF/DKIM/DMARC)を見ると、メール認証の設定状況も分かります。
コマンドがなくても調べられますか?
調べられます。ICANNのRDAPルックアップや各レジストラの検索、オンラインのWHOIS/DNSツールを使えば、コマンドを使わずブラウザだけで登録情報やDNSレコードを確認できます。
まとめ
ドメインからは情報を取れますが、仕組みは2系統です。WHOIS/RDAPではレジストラ・登録日・有効期限・ネームサーバー・ロック状態などの事務情報が、DNSルックアップ(dig/nslookup)ではサーバーのIP・メールサーバー・SPF/DKIM/DMARCなどの設定が分かります。ただしGDPR以降、登録者の個人情報は原則非公開で、WHOISは2025年にRDAPへ移行しました。「持ち主が誰か」は公開情報からは基本分からない一方、取得状況・期限・DNS設定は今も調べられ、移管準備やメールのトラブル調査で役立ちます。
参考リンク
- 関連記事: メールのDNS基本(MX/SPF/DKIM/DMARC) / ドメイン移管で失敗しやすいポイント / 既存ドメインを別サーバーへ移す方法
- 用語集: DNS / ネームサーバー
- 公式: ICANN Lookup(RDAP)