先に要点
- X API でできることは、投稿の取得・検索・作成から、ユーザー情報、タイムライン、いいね・フォロー、DM、Spaces、ストリーミングまでかなり広いです。
- 「読む」と「本人として操作する」は別です。公開データの読み取りは Bearer Token で足りる場面がありますが、投稿・フォロー・DM送信などはユーザー認証が必要です。
- recent search は直近7日間で、2006年3月までさかのぼる full-archive search とは役割が分かれています。
- 料金は2026年10月時点でサブスクなしの従量課金(前払いのクレジットから差し引く方式)です。投稿の読み取りは1件 $0.005、投稿の作成は1件 $0.015、URLを含む投稿の作成は1件 $0.200で、読み取りは月300万件が上限です。
X API は、X(旧Twitter)の投稿やユーザー、DM などをプログラムから扱うための公式 API です。予約投稿の仕組み、ブランド名の言及の監視、問い合わせの受け付けなど、使い道はかなり広いです。
一方で、2023年の有料化、2026年の従量課金への移行と、料金と提供条件が何度も変わってきたため、古い情報のまま設計すると「思ったより高い」「そのプランでは使えない」とつまずきやすい API でもあります。この記事では、何ができるかを領域ごとに整理したうえで、どの認証が要るかといくらかかるかを、2026年10月時点の公式ドキュメントで確認しながらまとめます。
機能の整理は2026年4月23日に、料金・提供条件・参考リンクは2026年10月23日に、X の公式開発者ドキュメントで確認し直しています。X API は提供条件やドキュメントの表現が変わりやすいため、実装前は必ず対象エンドポイントの公式ページも確認してください。
まず X API で扱える主な領域
公式ドキュメントでは、X API の主要機能が Posts、Users、Direct Messages、Spaces、Lists、Trends、Community、Compliance、Media upload などの単位で整理されています。
実務でよく使うものに絞ると、次の4系統で見ると分かりやすいです。
| 領域 | できること |
|---|---|
| 投稿・検索 | 投稿取得、投稿作成、検索、返信・引用・会話追跡 |
| ユーザー・関係 | ユーザー取得、フォロー、ミュート、ブロック、いいね、ブックマーク |
| メッセージ・音声 | DM 送受信、Spaces 情報取得 |
| リアルタイム・監視 | filtered stream、sampled stream、ルール管理、コンプライアンス連携 |
この切り方で見ると、SNS埋め込み用の読み取りAPI だけではなく、運用ツール や 監視ツール としても使えることが分かります。
投稿まわりでできること
X API の基本は投稿まわりです。公式の Posts セクションでは、投稿の取得、投稿の作成、個別投稿参照、会話の追跡、検索、カウント取得、引用やリポストの参照などが案内されています。
たとえば次のようなことができます。
- 投稿IDから投稿内容を取得する
- 特定ユーザーの投稿一覧を取得する
- 返信先や会話スレッドをたどる
- 検索条件を指定して recent search を実行する
- 投稿を作成する
- 自分が作成した投稿を削除する
運用ツールとして見ると、次のような用途が考えやすいです。
投稿する
予約投稿システムからXへ投稿する
拾う
ブランド名の言及を検索して拾う
反映する
特定アカウントの投稿をサイトへ反映する
2026年10月時点の公式の料金表では、投稿の作成は1件 $0.015 ですが、URLを含む投稿の作成は1件 $0.200です。ブログの更新通知のように毎回リンクを付ける自動投稿は、リンクなしの約13倍の単価になります。詳しくは下の「料金と利用条件」で計算します。
検索でできること
X API では投稿検索も大きな機能です。公式の recent search は、過去7日間の投稿を対象に条件検索できます。full-archive search は2006年3月までさかのぼって検索でき、2026年10月時点の公式ドキュメントでは、従量課金(pay-per-use)と Enterprise の利用者が使えると書かれています。
つまり、検索は1種類ではありません。
| 検索の種類 | 概要 |
|---|---|
| recent search | 直近7日間の投稿検索 |
| full-archive search | 2006年3月以降の全期間の検索(従量課金・Enterprise) |
| counts | 検索条件に合う件数を時系列で取得 |
X API なら昔の投稿も全部同じように検索できる と思いがちですが、実際には recent と full-archive で役割が分かれています。過去の投稿を大量に取ると、読み取った件数ぶんだけ課金される点にも注意してください。
ユーザー情報とタイムラインでできること
Users 系のAPIでは、ユーザーIDやユーザー名からプロフィール情報を取得したり、フォロワー、フォロー中、ミュート、ブロックなどの関係を扱えます。
また、User Posts や Timelines 系を使えば、特定アカウントの投稿一覧、メンション、ホームタイムラインなども扱えます。
このあたりでできることは、たとえば次のようなものです。
- ユーザー名からユーザー情報を取る
- 特定ユーザーの投稿一覧を取る
- 誰が誰をフォローしているかを取得する
- メンションタイムラインを監視する
- 自分用のホームタイムラインを読む
サポートや広報の運用では、次のような使い方につながります。
サポート
自社アカウントへの言及を追う
広報
複数アカウントの投稿状況をまとめて見る
社内共有
社内ダッシュボードでXの反応を並べる
投稿だけでなく、いいね・フォロー・ブックマークも操作できる
X API は読み取り専用ではありません。公式ドキュメントには、Likes、Retweets、Bookmarks、Follows、Blocks、Mutes など、ユーザー操作系のエンドポイントもあります。
つまり、認証済みユーザーの文脈であれば次のような操作も可能です。
- 投稿へいいねする、外す
- リポストする、取り消す
- 投稿をブックマークする、外す
- ユーザーをフォローする、解除する
- ユーザーをブロック、ミュートする
この領域は公開データ参照より認証要件が重く、X の自動化ルールの制限も直接かかります(たとえば自動のいいねや、無差別な自動フォローは認められていません)。実務では、誤操作や権限過多を避けるために、読み取り機能と書き込み機能を分けて考えた方が安全です。
DM でできること
X API には Direct Messages API もあります。公式では DM の送受信、会話取得、イベント取得、DMの削除などが案内されています。
送る
認証済みユーザーとして DM を送る
一覧
DM の会話一覧を取得する
読む
過去メッセージを読む
イベント
DM イベントを扱う
これは問い合わせ受付や、自動応答補助、サポート履歴の統合などで使い道があります。DM の送信には、OAuth 2.0(PKCE)で取得したユーザーのアクセストークンが必要です。料金は DM イベントの読み取りが1件 $0.010、DM の送信が1件 $0.015 です(2026年10月時点)。
認証、権限管理、ログの残し方をかなり慎重に見た方がよいです。また X の自動化ルールでは、相手が求めていない DM を自動で大量に送ることは禁止されています。
Spaces やリアルタイム取得もある
X API には Spaces の情報取得もあります。公式ドキュメントでは、アクティブな Spaces の検索、Space 情報取得、Space参加者に関する情報取得などが案内されています。
さらにストリーミング系では、filtered stream と sampled stream があり、条件に合う投稿をリアルタイムに受け取る使い方ができます。
filtered stream では、ルールを登録して、それに合う投稿を継続的に受け取る形です。2026年10月時点の公式ドキュメントでは、filtered stream は従量課金でも使え、従量課金ではプロジェクトあたりルール1,000件・1ルール1,024文字・同時接続1本、Enterprise ではルール25,000件以上・1ルール2,048文字・複数接続となっています。
- 1
ルールを登録する
受け取りたい投稿の条件(ブランド名・製品名など)を登録する。従量課金ではプロジェクトあたり1,000ルールまで。
- 2
条件に合う投稿が流れてくる
ルールに合う投稿をリアルタイムに受け取る。受け取った投稿は読み取りとして課金される。
- 3
継続的に受け取る
接続を保ったまま受け取り続ける。従量課金の同時接続は1本。
このため、X API は単に投稿を読むだけでなく、次のような監視用途にも向いています。
- ブランド名や製品名のリアルタイム監視
- 特定条件に一致した投稿の自動収集
- ソーシャルリスニングの基礎データ取得
Bearer Token で足りることと OAuth が必要なこと
ここはかなり重要です。
X の認証ドキュメントでは、OAuth 2.0 App-Only の Bearer Token と、OAuth 2.0 Authorization Code with PKCE、OAuth 1.0a などが使い分けられています。
ざっくり分けると、次の理解で大きく外しにくいです。
| やりたいこと | 認証の考え方 |
|---|---|
| 公開投稿の取得、公開ユーザー情報の取得 | Bearer Token で足りる場面がある |
| recent search や stream の読み取り | Bearer Token で使える場面が多い |
| 自分の代わりに投稿する | ユーザー認証が必要 |
| フォロー、いいね、ブックマーク、DM送信 | ユーザー認証が必要 |
| 自分のホームタイムラインや非公開寄りデータ | ユーザー認証が必要 |
SNS連携で最初に設計を誤りやすいのはここです。公開データの読み取りは Bearer Token で足りる場面がありますが、本人として投稿、フォロー、DM送信などをするなら OAuth ベースのユーザー認証が必要です。
料金と利用条件(2026年10月時点)
2026年10月23日に確認した公式の料金ページでは、X API はサブスクリプションのない従量課金です。Developer Console で先にクレジットを買い、リクエストのたびにそこから差し引かれます。主な単価は次のとおりです。
| 項目 | 内容(2026年10月時点) |
|---|---|
| 料金の形 | サブスクなしの従量課金。前払いのクレジットから差し引く |
| 読み取りの上限 | 投稿の読み取りは月300万件まで。超える規模は Enterprise |
| 重複の扱い | 同じリソースを UTC の24時間以内に何度取得しても1回分(公式は「ソフトな保証」と表現) |
| 自分のデータ | 自分のアカウントのデータの読み取り(Owned Reads)は1件 $0.001 |
| 使いすぎ対策 | 利用額の上限(spending limit)と自動チャージを設定できる |
運用のイメージをつかむため、単価から月額を計算してみます(30日として計算)。
リンクなしで1日100件投稿
月 約45ドル
100件 × 30日 × $0.015 = $45。
リンク付きで1日100件投稿
月 約600ドル
100件 × 30日 × $0.200 = $600。同じ件数でもURLの有無で大きく変わる。
1日1,000件の投稿を監視で読む
月 約150ドル
1,000件 × 30日 × $0.005 = $150。同じ投稿を24時間以内に読み直しても1回分。
以前の Free / Basic(月$200)/ Pro(月$5,000)のような定額プランは、2026年10月時点の公式の料金ページには載っていません。X Developers の告知では、新規の受け付けは2026年2月に従量課金へ切り替わり、旧 Basic・旧 Pro の契約も2026年中に順次従量課金へ移されています。移行の時期は契約ごとに違うため、旧プランを使っている場合は Developer Console の請求画面で確認してください。
2026年4月時点の docs.x.com では、pay-as-you-go と enterprise only の表記が混在しているページもありました。10月時点では料金ページが従量課金に一本化されていますが、エンドポイントごとの細かい条件は今後も変わりえます。実装前は対象エンドポイントごとの案内を見てください。
実務で詰まりやすいポイント
1. 検索範囲を勘違いする
過去全期間を前提にして設計すると、あとで full-archive search への切り替えと、読み取り件数ぶんの費用を見直すことになります。
2. 認証方式を後回しにする
最初は 投稿を取るだけ のつもりでも、途中で 予約投稿もしたい フォロー返しもしたい DMも扱いたい となると、必要な認証が一気に変わります。先に読み取り専用か、書き込みありかを分けておいた方が安全です。
3. リアルタイム取得とポーリングを混同する
数分おきに検索APIを叩く
stream でイベントを受けるのとは別設計です。同じ投稿を何度も読むと、24時間を超えた分は再び課金されます。
ストリーミング
stream でイベントを受ける
監視用途では自然なことがありますが、常時接続や切断時の再接続設計も必要になります。従量課金の同時接続は1本です。
4. 単価を見ずに自動投稿を組む
URL入りの投稿は1件 $0.200 です。失敗時の再送やテスト投稿もそのまま課金対象になるので、最初に利用額の上限(spending limit)を設定し、開発中は投稿回数の少ない検証用アカウントで試すのが安全です。
X(Twitter)APIに関するよくある質問
Q. X API は無料で使えますか?
A. 2026年10月時点の公式の料金ページには、無料のプランは載っていません。料金はサブスクなしの従量課金で、投稿の読み取り $0.005/件、投稿の作成 $0.015/件(URLを含む投稿は $0.200/件)、自分のデータの読み取り $0.001/件などです。旧 Basic・Pro の定額プランは従量課金へ順次移行しています。大規模な利用は Enterprise です。最新は公式の料金ページで確認してください。
Q. Twitter から X になって何が変わりましたか?
A. ブランド名の変更に加えて、API の料金体系が大きく変わりました。2023年に無料の API がほぼ廃止されて定額の有料プランが中心になり、2026年には従量課金へ移りました。いくつかのエンドポイントの提供停止や、旧 v1.1 API のサポート縮小もあります。
Q. 過去ツイートの一括検索はできますか?
A. full-archive search(2006年3月以降の全期間)は、従量課金と Enterprise の利用者が使えます。recent search は直近7日に限られます。過去の投稿を大量に取ると読み取り件数ぶん課金され、従量課金の読み取りは月300万件が上限なので、大規模・継続的な取得は Enterprise が向きます。
Q. DM の送受信はできますか?
A. できます。承認済みの開発者アカウントと、OAuth 2.0(PKCE)で取得したユーザーのアクセストークンが必要です。2026年10月時点の公式ドキュメントでは、DM のためだけの別の審査は書かれていません。ただし自動化ルールで、求められていない DM を自動で大量に送ることは禁止されています。
Q. アカウントの自動運用は禁止ですか?
A. 完全に禁止ではありません。X の自動化ルール(Automation rules)では、情報の自動投稿などは認められる一方、スパム的な投稿、自動のいいね、無差別な自動フォロー、キーワード検索だけを根拠にした自動返信、求められていない DM の一括送信などが禁止されています。AI で返信する bot には X の事前承認が要るとされているので、作る前に公式のルールを確認してください。
Q. ストリーミング API は使えますか?
A. はい。filtered stream で特定の条件に合う投稿をリアルタイムに受け取れます。2026年10月時点では従量課金でも使え、プロジェクトあたりルール1,000件・同時接続1本までです。より多くのルールや接続が必要なら Enterprise です。
Q. X API の代替手段は?
A. 予約投稿が目的なら、外部の予約投稿サービス(Hootsuite、Buffer など。X 公式のサービスではありません)で足りることがあります。ただし外部サービスも内部で X API を使っているため、料金や機能は各サービスの条件次第です。X の利用規約は、事前の同意なしにサービスをクロールやスクレイピングすることを禁止しているので、代替手段にはしません。X 以外の SNS(Bluesky、Mastodon など)へ発信先を広げるのも選択肢です。
まとめ
X(Twitter)APIでできることは、投稿取得、検索、ユーザー情報取得、タイムライン取得、投稿作成、フォロー操作、DM送受信、Spaces情報取得、リアルタイムストリーミングまでかなり広いです。2026年10月時点の料金はサブスクなしの従量課金で、とくに URL 入りの投稿の単価と、読み取りの月300万件の上限は設計に影響します。
実際に設計するときは、次の順で考えると整理しやすいです。
設計するときの切り分けの順番
- 1読み取りだけか、書き込みもするか
本人として操作するならユーザー認証が必要になる。
- 2検索は recent で足りるか、過去全期間が必要か
recent search は直近7日。過去全期間なら full-archive search を見る。
- 3DM やフォローのようなユーザー操作が必要か
ユーザー操作は認証要件が重く、自動化ルールの制限もかかる。
- 4ポーリングで十分か、stream が必要か
stream なら常時接続と再接続の設計も必要。
- 5月の件数から費用を見積もる
読み取り・作成・URL入り投稿の件数に単価を掛け、利用額の上限を設定する。
この切り分けができると、Bearer Token で足りるのか、OAuth が必要なのか、どのエンドポイントを見ればいいのか、月にいくらかかりそうかがかなり明確になります。
参考リンク
- X Docs: Overview
- X Docs: About the X API
- X Docs: Pricing
- X Docs: Authentication
- X Docs: Manage Posts
- X Docs: Search Posts
- X Docs: Users
- X Docs: Timelines
- X Docs: Direct Messages
- X Docs: Spaces
- X Docs: Filtered stream
- X Help Center: Automation rules
- X: 利用規約