バックアップは、障害・誤削除・侵害・故障に備えてデータやシステムの複製を別に保存しておくことです。実務では「保存すること」ではなく、必要なときに実際に戻せることまでを含めて評価します。取れているのに戻せない、は珍しくありません。
まず押さえたいポイント
- 目的は保存ではなく 復旧。戻せて初めて成立する
- 定番の指針が 3-2-1ルール(3つの複製・2種類の媒体・うち1つは別の場所)
- 世代を複数残す。1世代だけだと、壊れたデータで上書きされて終わる
- 復旧目標は RPO(どこまで戻れるか)と RTO(どれだけ早く戻せるか)で決める
近い用語との違い
スナップショットとは目的が違います。スナップショットは同じ基盤上の「ある時点の状態」で、素早い切り戻しに向く一方、基盤ごと失う障害には無力なことがあります。バックアップは別の場所へ複製を持つ点が本質です。両方を役割分担させるのが実務の答えになります。
押さえておきたい注意点
同じサーバー・同じアカウント内にだけ置くと、本体と一緒に失います。ランサムウェアはバックアップ自体を暗号化・削除しにくるため、切り離した保管や変更不可(イミュータブル)な保存が重視されます。そして最大の落とし穴が「一度も復元を試していない」ことです。
何をもって取れていると言うか
次の4つが決まっていない状態は、まだ設計できていません。
- 対象。データベースだけか、アップロードされたファイルや設定も含むか
- 頻度。どこまで戻れれば業務が成立するかから逆算します
- 世代と保管期間。異常に気づくまでの時間より短いと、気づいたときには全世代が汚染されています
- 置き場所。本体と同時に失われない場所か
4つ目でよく見落とされるのが、同じアカウントの中にある別サービスです。物理的には離れていても、認証情報が同じなら同時に失います。
実務で見るポイント
定期的に復元リハーサルを行うのが要点です。確認するのは戻ったかどうかだけではなく、どれだけ時間がかかったかも含みます。手順が書かれていても、実際にやると想定の何倍もかかることがあります。戻せない事態の防ぎ方は バックアップはあるのに戻せないを防ぐには?、対象範囲の決め方は VPSでバックアップはどこまで必要? が参考になります。