ランサムウェアは、ファイルやシステムを使えない状態にして、復旧と引き換えに金銭(身代金=ransom)を要求する攻撃です。 IPA の「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、組織向け脅威の1位が「ランサム攻撃による被害」であり、4年連続の1位です。日本でも事業停止に発展する事例が続いています。
手口は「暗号化」から「多重脅迫」へ
昔のイメージは「ファイルを暗号化して身代金要求」ですが、現在の主流は二重脅迫(double extortion)です。
- まずデータを盗み出し、それから暗号化する
- 「支払わなければ復旧させない」に加えて「支払わなければ盗んだデータを公開する」と脅す
この構造のため、「バックアップから戻せるので支払わない」だけでは済まなくなりました。復旧できても、情報漏えいの問題が残ります。 また、攻撃ツール一式を貸し出す RaaS(Ransomware as a Service) の分業化で、高度な技術がない集団でも攻撃できるようになっています。
侵入経路の定番
対策は「入れさせない」だけでは足りない
- 入口 … VPN・公開サービスの更新、重要な入口の MFA
- 広げさせない … VLAN や ACL での分離、権限の最小化
- 戻せる … バックアップは「あるか」ではなく「戻せるか」。バックアップ先ごと暗号化される事故があるため、切り離された保管(オフライン・別アカウント)が重要
- 早く気づく … ログ監視と初動手順
代表的な事件
- WannaCry(2017年・自己拡散型の世界的被害)
- Colonial Pipeline事件(2021年・社会インフラの停止)
- Change Healthcare事件(2024年・共通基盤の停止と史上最大の医療情報漏えい)
対策の全体像は ランサムウェアとは?事例と対策 で扱っています。