セキュリティ 公開日 2026.06.19 更新日 2026.06.19

Windows 10のセキュリティはどうなる?サポート終了後のリスクと取るべき選択肢

Windows 10はサポートが終了し、セキュリティ更新が止まっています。放置するリスク、Windows 11への移行・ESUでの延命・買い替え・Linux化といった選択肢、ESU(拡張セキュリティ更新)の内容、Windows 11のハード要件、当面使い続ける場合の最低限の対策まで実務目線で整理した記事です。

先に要点

  • Windows 10は 2025年10月14日にサポートが終了しました。以降、Home/Proなどは原則として無料のセキュリティ更新が提供されず、新たな脆弱性が見つかっても放置されます。
  • すぐ壊れるわけではありませんが、未修正の穴を狙う攻撃に対して時間とともに危険度が上がる 状態です。ネットにつなぐPCを更新なしで使い続けるのは推奨されません。
  • 取れる道は主に4つ。Windows 11へ無償アップグレード / ESUで1年延命 / 新しいPCに買い替え / Linux等へ移行。まずWindows 11に上げられるかを確認します。
  • 個人向けには ESU(拡張セキュリティ更新) が用意され、2026年10月13日まで延命できます。ただし、あくまで移行までの「つなぎ」です。

Windows 10のままで大丈夫? ── これは今、もっとも多くの人に関わるセキュリティの問題です。2025年10月14日にWindows 10はサポート終了(EOL)を迎え、本記事執筆時点(2026年6月)ではすでに通常のセキュリティ更新が止まった状態にあります。

サポートが切れたOSは、使えるけれど守られない という状態です。この記事では、サポート終了で具体的に何が危険になるのか、取れる選択肢の比較、延命策であるESUの中身、Windows 11に上げられるかの確認、そして当面Windows 10を使い続ける場合の最低限の対策までを整理します。

Windows 10はすでにサポートが終了している

まず押さえるべき事実です。マイクロソフトは、Windows 10(Home / Pro / Enterprise / Education など主要エディション、バージョン22H2)のサポートを 2025年10月14日 で終了しました。これはEOL(サポート終了)と呼ばれる節目です。

サポート終了が意味するのは、次のことです。

  • セキュリティ更新が止まる ── 新たな脆弱性が見つかっても、原則として修正プログラムが配られない
  • 不具合修正・技術サポートが終わる ── 問題が起きても公式の対応を受けられない
  • 動作環境としての前提から外れていく ── 各種ソフトやサービスが順次Windows 10非対応になっていく
「動く」と「安全」は別

サポートが切れてもPCは普通に起動し、動き続けます。だからこそ油断しがちですが、危険なのは「動くかどうか」ではなく「守られているかどうか」です。更新が止まった瞬間に壊れるのではなく、時間とともに穴がたまり、攻撃の的になりやすくなります。

サポート終了で何が危険になるのか

更新が止まったOSを使い続けると、次のようなリスクが積み上がります。

リスク 何が起きるか
脆弱性の放置 新しい穴が見つかっても塞がれない。公開された脆弱性は攻撃者に研究され、未修正のまま狙われ続ける
マルウェアランサムウェア感染 OSの穴を突くマルウェアランサムウェアに感染しやすくなる。データ暗号化や情報流出につながる
対応ソフトの減少 ブラウザ・セキュリティソフト・業務アプリが順次非対応になり、新機能や修正を受けられなくなる
業務・取引上の不適合 サポート切れOSの使用が、社内規定・取引先要件・各種ガイドラインで不可とされる場合がある

特に注意したいのが 公開済みの脆弱性ほど危ない」 という点です。サポート終了後に見つかった穴は、Windows 11では修正されてもWindows 10では塞がれないことがあり、攻撃者は「11の修正内容」を手がかりに「10の未修正の穴」を狙えてしまいます。誰も知らない穴を突くゼロデイとは逆に、分かっているのに直らない穴 が増えていくのが、サポート切れOSの怖さです。

取るべき選択肢を比較する

現実的な選択肢は、おおむね次の4つです。順番としては、まず「Windows 11に上げられるか」を確認するのが基本です。

選択肢 向いている人 注意点
Windows 11へ無償アップグレード ハード要件を満たすPCを使っている 最も推奨。要件(TPM 2.0等)を満たすか先に確認する
ESUで延命する すぐ移行できない、つなぎが欲しい 個人向けは2026年10月13日まで。あくまで一時的
新しいPCに買い替える PCが古く11要件を満たさない 費用はかかるが、性能・安全性とも最も確実
Linux等へ移行する 用途が限定的、技術に明るい 業務ソフトの対応や学習コストを要確認

迷ったら、「Windows 11へ上げる → 無理ならESUでつなぎつつ買い替えを計画」 が王道です。古いPCを無理に延命するより、サポートのある環境へ移ることが、結局は安く安全につきます。古い環境を手放せない事情がある場合の考え方は、なぜ企業は古いシステムを捨てられないのかも参考になります。

ESU(拡張セキュリティ更新)とは

ESU(Extended Security Updates)は、サポート終了後も 重要なセキュリティ更新だけを有償・期間限定で受け取れる 仕組みです。Windows 10では、今回はじめて個人向けにも提供されました。

個人向けESUのポイントは次のとおりです(詳細・価格は地域や時期で変わるため、必ず公式で確認してください)。

  • 対象期間 ── おおむね2025年10月15日〜2026年10月13日の 1年間
  • 登録方法 ── Microsoftアカウントでの設定同期(Windowsバックアップ)を使えば無料、または少額の支払い等の選択肢が案内されている
  • 内容 ── 配られるのは「重要・緊急レベルのセキュリティ更新」のみ。新機能や一般の不具合修正、技術サポートは含まれない
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繰り返しになりますが、ESUは ゴールではなく猶予期間 です。「お金を払えばずっと10で安心」ではない点に注意してください。

Windows 11に上げられるか(ハード要件)

無償アップグレードが第一候補ですが、Windows 11には満たすべきハードウェア要件があります。代表的なものは次のとおりです。

TPM 2.0

セキュリティ用のチップ機能。多くの近年のPCは搭載するが、設定(ファームウェア)で無効化されていることもある。

セキュアブート

起動時に不正なプログラムの読み込みを防ぐ仕組み。UEFI設定で有効化が必要な場合がある。

対応CPU・メモリ等

比較的新しい世代のCPU、メモリ4GB以上、ストレージ64GB以上などが必要。古いPCは対象外になりやすい。

満たしているかは、マイクロソフト公式の確認手順や「PC正常性チェック」アプリで判定できます。要件を満たさない古いPCは、無理に非公式な方法で11を入れるより、買い替えやESUを検討する方が安全です。PC選びの観点は、プログラマー・SE向けPCのスペックの選び方PCメーカーごとの違いと買い方が参考になります。

まだWindows 10を使うなら最低限の対策

事情があってすぐ移行できない場合でも、リスクを少しでも下げる対策はあります。これらは延命策であって、サポート復活ではない点は前提です。

  • 適用できる更新は全て当てる ── ESUに登録し、配られる更新は必ず適用する。未登録でも、当てられる定義更新は当てる
  • Microsoft Defenderを有効に保つ ── ウイルス対策とリアルタイム保護を切らない。定義(セキュリティインテリジェンス)更新を受け続ける
  • 標準ユーザーで運用する ── 普段は管理者権限を使わない。感染時の被害範囲を狭められる
  • BitLockerなどでディスクを暗号化 ── 盗難・紛失時の情報流出を防ぐ
  • アカウントを多要素認証(MFA)で守る ── OS外のサービス側の防御を固める
  • こまめにバックアップ ── ランサムウェア対策の最後の砦。外部・クラウドに分けて保管する
  • 重要な用途には使わない ── ネットバンキングや業務など、被害が大きい操作はサポートされた環境で行う

セキュリティ対策の基本姿勢は1台のPCでも同じで、更新・防御・最小権限・バックアップ の積み重ねです。動作が重いと感じるなら、PCが遅いと感じたら買い替え前に見直すポイントもあわせて確認すると、移行の判断がしやすくなります。

Windows 10のセキュリティに関するよくある質問

Q. Windows 10はもう使えなくなるのですか?

A. 使えなくなるわけではありません。サポート終了後もPCは起動し動作します。変わるのは「セキュリティ更新が止まる」ことです。動作の可否ではなく、新たな脆弱性が修正されなくなる点が問題で、ネットにつないで使い続けるほどリスクが高まります。

Q. サポートが切れたらすぐ危険になりますか?

A. 切れた瞬間に何かが壊れるわけではありません。リスクは時間とともに上がります。サポート終了後に見つかった脆弱性が未修正のまま積み上がり、攻撃者に狙われやすくなるためです。「まだ平気」と使い続けるほど、的になりやすくなると考えてください。

Q. Windows 11へのアップグレードは無料ですか?

A. 要件を満たすWindows 10 PCからは、無償でアップグレードできます。ただしTPM 2.0やセキュアブート、対応CPUなどのハード要件があり、満たさないPCは対象外です。まず公式の確認手順や「PC正常性チェック」で、自分のPCが対象かを確認するのが先決です。

Q. ESUに登録すればずっと安全ですか?

A. いいえ、ESUは期間限定の延命策です。個人向けはおおむね2026年10月13日までの1年間で、配られるのは重要なセキュリティ更新のみです。新機能や一般の不具合修正、技術サポートは含まれません。あくまでWindows 11移行や買い替えまでの「つなぎ」と位置づけてください。

Q. 古くてWindows 11に上げられないPCはどうすれば?

A. 現実的には、ESUで一時的に延命しつつ買い替えを計画するか、用途が限定的ならLinuxへの移行を検討します。要件を満たさないPCに非公式な方法で11を入れる手段もありますが、将来の更新が保証されず、不具合やセキュリティ面のリスクがあるため、常用機には推奨しにくいです。

Q. セキュリティソフトを入れればWindows 10のままで大丈夫ですか?

A. 補助にはなりますが、十分ではありません。市販のセキュリティソフトはマルウェア対策を強化しますが、OS自体の脆弱性(穴)を塞ぐことはできません。穴を塞ぐのはOSの更新の役割です。セキュリティソフトは「鍵を増やす」対策で、「壊れたドア枠を直す」更新の代わりにはならない、とイメージすると分かりやすいです。

Q. 個人利用なら気にしなくてよいですか?

A. 個人でも油断は禁物です。ランサムウェアで写真や書類を人質に取られたり、アカウント情報を盗まれたりする被害は、個人にも起こります。特にネットバンキングやSNS、メールなど、被害が大きい用途で使うなら、サポートされた環境へ移すことを強くおすすめします。

参考リンク

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