工数(こうすう)は、ある作業を完了させるのに必要な「人 × 時間」の総量 を表す指標です。
ソフトウェア開発の見積もりでは、まず工数を出し、そこから費用とスケジュールを導きます。つまり工数は、見積もり全体の土台になる数字です。
まず押さえたいポイント
- 工数は「作業量」であり、「期間」とは別物
- 代表的な単位は
人時 (にんじ)人日 (にんにち)人月 (にんげつ) 人月は実務でおおむね 1 人月 = 20 稼働日として扱うことが多い- 工数 × 単価 = 費用、工数 ÷ 投入人数 ≒ 期間、という関係でつながる
単位の例
1 人日— 1 人が 1 日働く量。10 人日は「1 人で 10 日」または「2 人で 5 日」相当1 人月— 1 人が 1 か月働く量。6 人月の作業を「6 人で 1 か月」で終えられるとは限らない
工数と期間を混同しない
6 人月だから 6 か月かかる とは限りません。投入する人数で暦の期間は変わります。
ただし、人を増やせば比例して期間が短くなるわけでもありません。人員が増えるとコミュニケーションや教育の負荷が増え、分担できない作業も残るため、遅れているプロジェクトに人を足すとさらに遅れる という古典的な経験則 (ブルックスの法則) も知られています。
工数を見積もるときの注意
- 機能そのものだけでなく、設計・テスト・レビュー・打ち合わせ・ドキュメントの工数も含める
- 例外処理・データ移行・外部連携は重くなりやすく、軽く見積もると後でズレる
- 不確実なタスクは ストーリーポイント や三点見積もりでブレを織り込む
よくある誤解
工数を減らす = 手を抜く ではありません。工数は作業量の見積もりであって、品質を落とす指示ではない点に注意します。
また、実績工数 (かかった量) と 見積工数 (これからかかる予測) は別物です。両者を記録して突き合わせると、次の案件の見積もり精度が上がります。見積もりが当たったかどうかは、この実績工数との差分で振り返るのが基本です。
工数の出し方や費用・期間への変換は、見積もりとは?IT開発の工数・期間・費用の出し方と代表的な見積もり方法 で、4 つの見積もり手法とあわせて整理しています。