用語集 最終更新 2026.06.16

工数

工数(こうすう)は、ある作業を完了させるのに必要な「人 × 時間」の総量 を表す指標です。 ソフトウェア開発の見積もりでは、まず工数を出し、そこから費用とスケジュールを導きます。つまり工数は、見積もり全体の土台になる数字です。

まず押さえたいポイント

  • 工数は「作業量」であり、「期間」とは別物
  • 代表的な単位は 人時 (にんじ) 人日 (にんにち) 人月 (にんげつ)
  • 人月 は実務でおおむね 1 人月 = 20 稼働日として扱うことが多い
  • 工数 × 単価 = 費用、工数 ÷ 投入人数 ≒ 期間、という関係でつながる

単位の例

  • 1 人日 — 1 人が 1 日働く量。10 人日 は「1 人で 10 日」または「2 人で 5 日」相当
  • 1 人月 — 1 人が 1 か月働く量。6 人月 の作業を「6 人で 1 か月」で終えられるとは限らない

工数と期間を混同しない

6 人月だから 6 か月かかる とは限りません。投入する人数で暦の期間は変わります。 ただし、人を増やせば比例して期間が短くなるわけでもありません。人員が増えるとコミュニケーションや教育の負荷が増え、分担できない作業も残るため、遅れているプロジェクトに人を足すとさらに遅れる という古典的な経験則 (ブルックスの法則) も知られています。

工数を見積もるときの注意

  • 機能そのものだけでなく、設計・テスト・レビュー・打ち合わせ・ドキュメントの工数も含める
  • 例外処理・データ移行・外部連携は重くなりやすく、軽く見積もると後でズレる
  • 不確実なタスクは ストーリーポイント や三点見積もりでブレを織り込む

よくある誤解

工数を減らす = 手を抜く ではありません。工数は作業量の見積もりであって、品質を落とす指示ではない点に注意します。 また、実績工数 (かかった量)見積工数 (これからかかる予測) は別物です。両者を記録して突き合わせると、次の案件の見積もり精度が上がります。見積もりが当たったかどうかは、この実績工数との差分で振り返るのが基本です。

工数の出し方や費用・期間への変換は、見積もりとは?IT開発の工数・期間・費用の出し方と代表的な見積もり方法 で、4 つの見積もり手法とあわせて整理しています。