用語集 最終更新 2026.08.21

公開鍵暗号

公開鍵暗号は、公開鍵と秘密鍵のペアを使って暗号化や署名を行う仕組みです。 英語では public-key cryptography、非対称暗号(asymmetric cryptography)とも呼ばれます。代表的なアルゴリズムは RSA、ECDSA、Ed25519 などです。

2つの使い方——向きが逆

同じ鍵ペアでも、目的によって使う向きが逆になります。ここを押さえると一気に整理できます。

  • 暗号化 … 公開鍵で暗号化 → 秘密鍵で復号。「誰でも送れるが、開けるのは持ち主だけ」
  • 署名 … 秘密鍵で署名 → 公開鍵で検証。「作れるのは持ち主だけ、確かめるのは誰でもできる」

電子署名、デジタル証明書、Passkeys、SSH鍵認証は、すべて後者(署名)の応用です。

共通鍵暗号との違いと、実際のTLS

公開鍵暗号 共通鍵暗号
鍵 公開鍵+秘密鍵のペア 1つの鍵を双方で共有
速度 遅い 速い
事前の鍵共有 不要(公開鍵は配ってよい) 必要(ここが難題)

実際の HTTPS(TLS)は両方の合わせ技です。最初だけ公開鍵暗号で「共通鍵の材料」を安全に交換し、本文は速い共通鍵暗号で流す——このハイブリッド構成が標準です。

押さえておきたい注意点

  • 公開鍵だけでは「誰の鍵か」が分からない … なりすまし対策には、公開鍵と持ち主を結びつけるデジタル証明書が必要
  • 秘密鍵の漏えいは最重度の事故 … 漏れた瞬間に暗号も署名も信頼が崩れる。鍵の保管と失効手順までがセット
  • 耐量子暗号への移行が始まっている … 量子コンピュータで現行方式が破られる将来に備え、NIST が2024年に耐量子暗号(ML-KEM 等)を標準化した。長期運用のシステムでは頭に入れておきたい動き

近い用語との違い