用語集 最終更新 2026.08.03

UDP

UDP(User Datagram Protocol)は、確認応答や再送を省いて、とにかく速くデータを送るための通信プロトコルです。DNS の問い合わせ、音声通話、動画配信、オンラインゲームなどで使われます。

接続を確立せずにいきなり送る(コネクションレス)のが特徴で、届いたかどうかの確認もしません。そのぶん余計なやりとりが無く、遅延が小さいのが強みです。

まず押さえたいポイント

  • コネクションレス:接続確立のやりとりが無く、すぐ送れる
  • 再送も順番保証も無いので、欠けることを前提に使う
  • ヘッダが小さくオーバーヘッドが少ない
  • 必要な信頼性はアプリ側で自前で実装する

近い用語との違い

TCP との対比が本質です。「少し欠けても、今の情報を早く」なら UDP、「遅くても、確実に全部」なら TCP。たとえば音声通話は、1秒前の音を再送されても意味がないので UDP が合理的です。逆にファイル転送で欠けたら困るので TCP になります。詳しくは TCPとUDPの違い を参照してください。

実務で見るポイント

切り分けで厄介なのは「つながっているように見えるのに届かない」状態です。UDP は接続の概念が無いため、ファイアウォールNAT で黙って落とされていても気づきにくいのです。疎通確認では、TCP と同じ感覚で判断しないのがコツです。

なお「UDP=信頼性が低いから使わない」は古い理解です。HTTP/3 が採用する QUIC は UDP の上に、再送や順序制御を自前で実装した仕組みで、TCP の弱点(接続確立の遅さ)を回避しています。土台を軽くして必要な機能だけ載せるのが最近の方向です。

セキュリティ面では、送信元を偽装しやすいという性質も知っておく価値があります。接続確立の手順が無いぶん、送信元IPを詐称した大量のパケットを送りつける増幅型のDDoS攻撃に悪用されることがあり、DNSNTP のような UDP を使うサービスを公開するときは意図しない外部からの利用を制限するのが基本になります。