NAS は Network Attached Storage の略で、ネットワークに直接つながる共有ストレージです。PC に挿す外付けディスクと違い、複数の人と複数の端末が同時に同じ場所を読み書きできます。
まず押さえたいポイント
- 中身は小さなファイルサーバー。ディスクだけでなく OS とネットワーク機能を持っている
- 共有の入口は
SMB(Windows 系)やNFS(UNIX 系)といったプロトコル。どちらで見せるかで権限の考え方が変わる - 多くの製品が RAID を組める。ただし RAID はディスク故障への備えであって、バックアップではありません
- 管理画面と共有フォルダでアカウントが別建てになっていることがある
近い用語との違い
ファイルサーバーは汎用サーバーにファイル共有の役割を持たせたもので、用途を足していけます。NAS はファイル共有に絞って作られた専用機で、設置と運用が軽い代わりに、できることは製品が決めた範囲に収まります。クラウドのオブジェクトストレージとも性質が違い、NAS はフォルダとファイルという見え方をそのまま提供するのが特徴です。
押さえておきたい注意点
3つあります。
1つ目は RAID とバックアップの混同です。RAID はディスクが1本壊れても動き続けるための仕組みで、誤って消したファイルも暗号化されたファイルも、そのまま全ディスクに反映されます。別の場所への複製が要ります。
2つ目はランサムウェアです。共有フォルダは端末からドライブとして見えるため、感染した端末から NAS の中身まで暗号化されることがあります。常時つながっている複製は、複製として数えないのが安全側の考え方です。
3つ目は NAS 自体の更新です。中身はネットワーク機能を持った機器なので、ファームウェアの更新が止まると穴が残ります。外から直接届く場所に置かない、管理画面を公開しない、という基本も同じく必要です。
実務で見るポイント
置く前に「誰が読めて誰が書けるか」を決め、共有単位と権限を最初に設計すると後が楽です。加えて、バックアップ先を NAS にするなら、その NAS 自体のバックアップをどこに置くかまで決めておきます。世代と復元の考え方は バックアップはあるのに戻せないを防ぐには? にまとめています。