プライベートIPは、家庭や社内など閉じたネットワークの中だけで使う IP アドレスです。 インターネット上では使われないと決められているため、別々の組織が同じアドレスを重複して使えます。
使える範囲は3つ決まっている
IPv4 では RFC 1918 で次の範囲が予約されています。
| 範囲 | 使える台数 | よく見る場所 |
|---|---|---|
10.0.0.0/8 |
約1,678万 | 企業ネットワーク、クラウドVPC |
172.16.0.0/12 |
約104万 | 中規模ネットワーク、Docker |
192.168.0.0/16 |
65,536 | 家庭用ルーター |
家庭用機器がほぼ 192.168.0.x か 192.168.1.x を初期値にしているのは、この範囲の中でも特に狭い一部を慣習的に使っているからです。
「みんな同じ」が事故になる
再利用できることが利点であり、同時に最大の落とし穴です。VPN で拠点同士をつないだとき、両側が 192.168.1.0/24 を使っていると通信できません。自分宛のアドレスと相手宛のアドレスが区別できなくなるためです。
これはクラウドでも起きます。社内ネットワークと VPC のアドレス帯が重なっていると、専用線やVPNでつないだ瞬間に破綻します。将来つなぐ可能性があるなら、最初から重複しない帯を割り当てるのが唯一の対策です。設計時に 10.x から余裕を持って切っておくと後が楽になります。
169.254 が見えたら DHCP 失敗
端末に 169.254.x.x が付いていたら、それはリンクローカルアドレスで、DHCP からアドレスをもらえなかったときの自動割り当てです。「ネットにつながらない」の切り分けで最初に見る値のひとつで、これが出ているならルーターまで届いていません。