ソフトウェア 公開日 2026.04.23 更新日 2026.06.13

ずんだもんとは?VOICEVOXでよく見かける理由を整理

ずんだもんとは何かを、東北ずん子・ずんだもんプロジェクトでの位置づけ、VOICEVOXで有名になった理由、動画や読み上げで使われる背景、利用時に規約確認が必要な理由まで整理します。

先に要点

  • ずんだもんは「東北ずん子・ずんだもんプロジェクト」のキャラクターで、VOICEVOX はその音声を載せた無料の音声合成ソフト。両者は別物。
  • 商用利用の規約は二層構造VOICEVOX本体の規約と、ずんだもんなどキャラクター(音源)個別の規約を、それぞれ別に確認する必要がある。
  • 音声の商用利用は可能だが、クレジット表記「VOICEVOX:ずんだもん」が原則必須。表記を省く商用利用は1キャラクター40万円(+税)の有償契約になる。
  • 立ち絵・イラストは音声とは別ルール。個人や東北6県企業は申請不要で使える範囲が広いが、商品化やNFT・グッズ販売などは別途ライセンス契約が要る。

ずんだもんは、東北ずん子・ずんだもんプロジェクトのキャラクターです。ネットでは VOICEVOX の読み上げ音声で広く知られているため「無料の読み上げキャラ」のように見えることがありますが、正確には「プロジェクトのキャラクターであり、その中でもVOICEVOX版が特に有名」という理解が近いです。

この記事は「ずんだもんとは何か」の整理に加えて、実務でいちばん事故が多い商用利用の確認手順を中心にまとめます。とくに、VOICEVOX本体の規約とキャラクター個別の規約という二層構造をどう読み分け、クレジットや画像利用で何をどう対応するかを、規約の原文表現に沿って手順化します。

本記事は2026年6月時点で、東北ずん子・ずんだもんプロジェクト公式サイト、VOICEVOX公式の利用規約・ずんだもんページ、音源利用規約ページを確認しながら整理しています。規約は改定されることがあるため、実際に使う直前に必ず公式の最新版を確認してください。

ずんだもんとは(VOICEVOXとの切り分け)

東北ずん子・ずんだもんプロジェクトの公式サイトでは、ずんだもんはプロジェクトに属するキャラクターとして扱われています。VOICEVOX公式の紹介ページでは、ずんだもんを「ずんだ餅の精」と説明しています。

ネットではこの周辺が一括りに語られがちですが、実務では次の3つを必ず分けて考えます。混同すると、後述する規約確認でどこを見ればよいか分からなくなります。

用語正体規約はどこ
ずんだもんキャラクター(IP)。声・見た目・性格を含む東北ずん子・ずんだもんプロジェクト側
VOICEVOXテキスト読み上げソフト(音声合成エンジン)VOICEVOX本体の利用規約
VOICEVOX:ずんだもんずんだもんの音声ライブラリ(音源)を使った読み上げVOICEVOX本体 + ずんだもん音源の個別規約の両方

ポイントは、ずんだもんがVOICEVOX専用キャラではないことです。プロジェクト側は複数の音声合成ソフトや素材を案内しており、VOICEVOXはその代表的な利用先の一つにすぎません。だから「ずんだもん=VOICEVOX」ではなく、「ずんだもんはプロジェクトのキャラ、VOICEVOXはその有名な利用先」と捉えるのが正確です。

なぜ動画や読み上げでよく見かけるのか

ずんだもんをよく見かける大きな理由は、VOICEVOXで使いやすく、無料で試しやすいことです。VOICEVOX本体はWindows・macOS・Linuxで動く無料ソフトで、ずんだもんを含む多数のキャラクター音声が同梱されています。

「キャラクターとして親しみやすい」と「音声化しやすい」が同時に成立したため、次のような用途で一気に広がりました。

解説・教育系

単調になりがちな技術解説やニュース風の読み上げを、説明役・ツッコミ役として聞きやすくする。

ゲーム実況・ショート

顔出ししないチャンネルや少人数制作で、ナレーション代わりに使う。

個人開発のデモ

ツール紹介やネタ動画の音声を、収録の手間なく素早く付ける。

会話形式コンテンツ

「なのだ」口調を活かし、2キャラの掛け合いで飽きさせない構成にする。

人が全部ナレーションするより作りやすく、機械音声だけより印象が残るため、個人制作との相性が良い、というのが普及の背景です。YouTube やニコニコ動画には再生数が数千万規模に達した利用動画もあります。

商用利用の規約は「二層構造」で確認する

ここからが本題です。ずんだもんを使った収益化動画・アプリ・サービスを作るとき、確認すべき規約は1つではありません。VOICEVOX本体ずんだもん(音源・キャラクター)個別の二層を、それぞれ別に読みます。VOICEVOX本体規約にも「作成された音声を利用する際は、各音声ライブラリの規約に従ってください」と明記されており、本体規約だけ読んで終わりにすると必ず抜けが出ます。

確認層規約の所在商用利用クレジット主な禁止・注意
第1層: VOICEVOX本体VOICEVOX公式 利用規約商用・非商用ともに無料で可VOICEVOXを利用したと分かるクレジットが必要ソフトの無断再配布、リバースエンジニアリングの禁止
第2層: ずんだもん音源音源利用規約(zunko.jp)商用・非商用ともに可「VOICEVOX:ずんだもん」表記が原則必須。省略時は有償公序良俗違反、政治・宗教活動、情報商材、フェイク情報など
(別枠) 立ち絵・画像キャラクター/画像ガイドライン音声とは別ルール。範囲により別途契約画像にはコピーライト表記は原則不要商品化・NFT/グッズ販売は別途ライセンス契約

この表のいちばん大事なメッセージは「音声は使えても画像の扱いは別」「キャラは使えても商用条件はまた別」という点です。1か所OKだったから全部OK、という早合点が事故の最大の原因になります。

クレジット表記: 必要可否と具体的な文面例

ずんだもんの音源利用規約では、VOICEVOX版を商用・非商用で使う場合、クレジット表記が原則必須です。規約に挙げられている表記例はそのまま「VOICEVOX:ずんだもん」「VOICEVOX:四国めたん」の形です。複数キャラを使ったら、それぞれ併記します。

利用シーンクレジットの置き場所(規約の考え方)具体的な書き方の例
YouTube・ニコニコ動画説明欄、または動画内のクレジット。視聴者が気になって探せば分かる程度でよい概要欄に「音声: VOICEVOX:ずんだもん」
アプリ・ゲームアプリの紹介画面やクレジット画面などクレジット画面に「Voice: VOICEVOX:ずんだもん」
Webサービス・記事利用箇所の近く、または補足ページフッターやAboutに「Powered by VOICEVOX:ずんだもん」

クレジット文面は厳密な定型が1つに固定されているわけではありませんが、「VOICEVOX」と「ずんだもん」の両方が分かる表記にしておくのが安全です。VOICEVOX本体側の「VOICEVOXを利用したと分かる表記が必要」という要件と、音源側の「VOICEVOX:ずんだもん」という指定を、1つのクレジットで同時に満たせるためです。

クレジットを出したくない場合(有償ライセンスの境界)

「動画にクレジットを出したくない」「アプリのUIに表記スペースがない」というケースもあります。その場合は規約に明確な代替条件があります。クレジット表記をしない商用利用は、1キャラクターあたり40万円(+消費税)で契約する、という有償ライセンスです。つまり「無料=必ずクレジットあり」「クレジットなしにしたいなら有償」という二択だと理解しておくと判断が早くなります。

立ち絵・画像利用は別ルール

音声がOKでも、立ち絵やイラストは別の規約系統で扱われます。公式イラストは事前申請なしで、商用・非商用を問わず自由に使える範囲が広く設定されています。改変も色変更・フィルター・服装やアクセサリー変更まで認められますが、条件は「東北ずん子・ずんだもんだと認識できる範囲」であることです。縦横比の極端な変更や、原作が分からなくなる改変は避けます。

一方で、次のような利用は「自由利用」の範囲を超え、別途ライセンス契約や申請が必要になります。

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規約違反になりがちな具体例(現象→原因→確認→回避)

抽象的に「規約を守る」と言っても抜けは防げません。実際に起こりやすい失敗を、現象から回避策まで分解しておきます。

失敗1: クレジット未記載で収益化

現象: 広告収益のあるYouTube動画にずんだもん音声を使ったが、説明欄にクレジットなし。原因: 「VOICEVOXは無料=何も書かなくていい」という誤解。確認: 音源利用規約のクレジット条項を読む。回避: 概要欄に「VOICEVOX:ずんだもん」を入れる。出したくないなら40万円(+税)の有償契約に切り替える。

失敗2: グッズ販売を無断で実施

現象: ずんだもんのイラストを使ったアクリルスタンドを販売。原因: 「画像は自由利用と書いてあった」を商品化まで拡大解釈。確認: 画像ガイドラインの『商品化・素材販売』の扱いを見る。回避: 商品化・グッズ・NFT販売は別途ライセンス契約。事前に問い合わせる。

失敗3: 禁止用途での利用

現象: 政治的主張や情報商材の宣伝動画でずんだもんに喋らせた。原因: 禁止事項の見落とし。確認: 音源規約の禁止事項(政治・宗教活動、情報商材、フェイク情報、公序良俗違反など)を確認。回避: 該当する用途では使わない。

失敗4: ソフトの再配布

現象: VOICEVOX本体を独自パッケージに同梱して配布。原因: 本体規約の再配布・リバースエンジニアリング禁止を未確認。回避: ソフトそのものを配らず、公式サイトへのリンク誘導にとどめる。

商用案件で迷ったら、原則は「クレジットは出す」「画像の商品化は問い合わせる」「禁止用途は避ける」の3点を起点に判断すると大きく外しません。

VOICEVOXの他キャラや類似ツールとの違い

ずんだもんは表情や「なのだ」口調のイメージが強く、説明役・ツッコミ役に向きます。一方で、用途によっては他の選択肢が合うこともあります。

  • VOICEVOX内の他キャラ(四国めたん、九州そらなど): 地域限定キャラは該当地域の企業に無償商用が認められるなど、キャラごとに条件が異なるため、使うキャラの個別規約を必ず確認します。
  • VOICEROIDなど商用音声合成: より「公式ナレーション」寄りの質感が欲しい場合の選択肢。
  • ElevenLabsなどAI音声: 任意の声を生成できる点が違い。ずんだもんはキャラクターIPを含むため、AI音声とは権利の扱いが根本的に異なります。

「無料で使えるか」だけでなく「キャラクターIPが付いているか」が、規約の重さを分ける一番の境目です。

ずんだもんに関するよくある質問

Q. ずんだもんの商用利用はできますか?

A. できます。VOICEVOX本体は商用・非商用とも無料で利用でき、ずんだもん音源も商用利用が認められています。ただし「VOICEVOX:ずんだもん」のクレジット表記が原則必須です。表記を省きたい場合は1キャラクター40万円(+税)の有償契約になります。

Q. クレジットはどこに、どう書けばいいですか?

A. 動画なら説明欄か動画内、アプリなら紹介・クレジット画面、Webなら利用箇所の近くか補足ページです。「視聴者が気になって探せば分かる程度」で構いません。文面は「VOICEVOX:ずんだもん」のように、VOICEVOXとずんだもんの両方が分かる表記にします。

Q. 立ち絵やイラストも音声と同じ条件ですか?

A. 別ルールです。公式イラストは申請不要で、商用・非商用とも「東北ずん子・ずんだもんだと認識できる範囲」の改変まで自由に使えます。ただし、グッズやNFTの販売、ゲーム・アプリへの組み込みなどは別途ライセンス契約が必要です。

Q. どんな利用だと申請(問い合わせ)が必要になりますか?

A. 東北6県以外の企業の商用利用、商品化、NFT・スタンプ販売、AI・アプリ・ゲームへの組み込み、スポンサー案件などです。これらは公式の問い合わせ窓口に連絡し、必要に応じてライセンス契約を結びます。

Q. ずんだもんと東北ずん子は別ですか?

A. 同じプロジェクトに属する別キャラクターです。東北ずん子・ずんだもん・東北きりたんなどがおり、いずれも東北ずん子・ずんだもんプロジェクトが管理しています。

Q. VOICEVOX本体は無料ですか?

A. はい。本体は無料で、商用利用も可能です。Windows・macOS・Linuxで動作し、ずんだもん以外にも多数のキャラクター音声が含まれます。ただし各音声の利用は、それぞれのキャラクター個別規約に従います。

Q. やってはいけない使い方はありますか?

A. 公序良俗に反する利用、政治・宗教活動、情報商材、フェイク情報目的での利用、風俗営業、反社会的勢力による利用などは禁止です。VOICEVOX本体の無断再配布やリバースエンジニアリングも禁止されています。

まとめ

ずんだもんは、東北ずん子・ずんだもんプロジェクトのキャラクターで、VOICEVOXで広く使われたことで動画・読み上げの定番になりました。実務で大事なのは「ずんだもん=VOICEVOX」と混同せず、VOICEVOX本体の規約とキャラクター個別の規約という二層を別々に確認することです。商用なら「VOICEVOX:ずんだもん」のクレジットを出す(出さないなら有償契約)、画像の商品化は問い合わせる、禁止用途は避ける——この3点を起点にすれば、大きな事故は防げます。規約は改定されるので、公開直前に必ず最新版を確認してください。


参考リンク

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