先に要点
- スマホのGmailアプリにある「全ての受信トレイ(All inboxes)」は、追加した複数アカウントの受信メールを1画面にまとめて表示する機能です。
- PC(ブラウザ版)Gmailには、これと同じワンクリックの統合ビューはありません。右上のアカウント切り替えは、各アカウントを別画面で開くだけです。
- ただし「自動転送」でサブアカウントのメールをメインに集めれば、PCでも実質1つの受信トレイにまとめられます。返信元も揃えたいなら「送信元アドレスの追加」を併用します。
- PC限定の「マルチ受信トレイ」は別物です。複数アカウントの統合ではなく、1つのアカウント内を検索条件でセクション分けする機能なので混同に注意します。
- 【2026年の重要変更】他アカウントをPOPで取り込む「他のアカウントのメールを確認」とGmailifyは廃止方向で、新規は2026年第1四半期以降不可・既存も2027年1月まで。これから作るなら転送方式が正解です。
スマホのGmailだと全アカウントのメールが1画面で見られるのに、パソコンだと同じにできないの? ── よくある疑問です。結論から言うと、PC版Gmailに「全ての受信トレイ」と同じボタンはありません。ですが、設定を組み合わせれば実質的に同じ「1つの受信トレイ」を作れます。
この記事では、スマホの「全ての受信トレイ」のおさらいから、PCで複数アカウントを1つにまとめる具体的な手順、そして2026年に廃止される機能をつかまないための注意点までを、Google公式ヘルプで確認しながら整理します。
スマホアプリの「全ての受信トレイ」をおさらい
スマホのGmailアプリでは、複数のGoogleアカウントを追加すると、左上のメニューに「全ての受信トレイ(All inboxes)」という項目が現れます。これを開くと、追加した全アカウントの受信メールが、1つのリストに時系列で混ざって表示されます。
これが成り立つのは、アプリが各アカウントに個別に接続し、その結果を1画面に束ねているからです。あくまでアプリ側の表示上の工夫であって、メール自体がどこか1か所に集約されているわけではありません。ここが、後で出てくるPCの話とつながる大事なポイントです。
PC(ブラウザ版)に同じ「全ての受信トレイ」はある?
ありません。ブラウザ版Gmailの右上にあるアカウントアイコンから別アカウントを選ぶと、そのアカウント専用の画面が(多くは別タブで)開くだけで、複数アカウントのメールが1つのリストに混ざることはありません。
つまりPCでは、アプリのように束ねて見せる機能そのものが用意されていないので、発想を変えてメールを実際に1つのアカウントへ集める方向で作ります。その主役が自動転送です。
「マルチ受信トレイ」は別物(勘違いに注意)
PCで調べると「マルチ受信トレイ(Multiple Inboxes)」という機能が出てきますが、これは複数アカウントを統合する機能ではありません。Google公式ヘルプでも、マルチ受信トレイは1つのアカウントの受信トレイを、検索条件で複数のセクションに分けて表示するものと説明されています(設定できるのはPCのみ)。
たとえば「スター付き」「特定の送信者から」といった条件ごとの区画を作る機能で、別アカウントのメールを持ってくるわけではありません。後述しますが、転送で1つに集めたうえで、この機能を仕上げに使うと便利です。
PCで1つの受信トレイに集約する本命=自動転送
いちばん確実で、今後も使えるのが自動転送です。サブのアカウント側で「メインのアカウントへ転送」を設定すると、以後サブに届いたメールがメインの受信トレイにも入ってきます。
この方式の利点は、廃止予定の機能を使わないこと(理由は後述)、そして設定後は自動で流れ込むので手間がないことです。
送信元も揃えたいなら「送信元アドレスの追加」
転送で受信は集約できますが、そのままだと返信の差出人がメインのアドレスになってしまいます。サブのアドレスとして返信したいなら、メイン側で「送信元アドレスの追加」を設定します。
メインのGmailで「設定 →『アカウントとインポート』→『名前:』欄の『他のメールアドレスを追加』」からサブのアドレスを登録し、確認を済ませると、返信時に差出人を選べるようになります。なお、1つのGmailに追加できる他アドレスは最大5件までです。
フィルタ+ラベルでアカウント別に色分け
全部が1つの受信トレイに集まると、今度はどのアカウント宛てだったか分かりにくくなります。そこでフィルタとラベルで仕分けます。「宛先(To)がサブA」ならラベル『A』を付ける、といったフィルタを作り、ラベルに色を付ければ、1画面のまま宛先ごとに一目で区別できます。
マルチ受信トレイで“アカウント別セクション”に仕上げる(PC限定)
前述のマルチ受信トレイを、この段階で仕上げに使います。転送で集めてラベルを付けたら、ラベルごとのセクション(例:検索条件 label:A、label:B)を作ることで、1画面の中がアカウント別の区画に分かれ、スマホの「全ての受信トレイ」に近い見え方へ寄せられます。
【2026年の重要変更】POP取り込み・Gmailifyは廃止へ
古い解説記事には、「他のアカウントのメールを確認(POPで取り込む)」やGmailifyで集約する方法がよく載っています。しかしこれらは廃止が予告されています。Google公式ヘルプによると──
新規利用の停止
2026年第1四半期以降、この機能は新規ユーザーには提供されません。これから設定しようとしても使えなくなります。
既存ユーザーの期限
すでに使っている場合も2027年1月まで。それ以降は「他のアカウントのメールを確認」がPC版から消えます。
対象
POPでの他アカウント取り込みとGmailifyが対象。すでに取り込み済みのメールはGmailに残ります。
だから転送で作る
公式も代替として自動転送やスマホアプリへの追加(IMAP)を案内しています。これから作るなら転送方式が安全です。
つまり、「POPで取り込む」系の手順を今から真似るのは地雷です。この記事の転送ベースの作り方なら、廃止の影響を受けません。
スマホ vs PC 早見表
| 観点 | スマホアプリ | PC(ブラウザ版) |
|---|---|---|
| 統合ビュー | 「全ての受信トレイ」で標準対応 | 専用機能は無い(転送で自作) |
| 仕組み | 各アカウントに接続して束ねる | メールを1アカウントへ集める |
| 設定の手間 | アカウントを追加するだけ | 転送+ラベル+マルチ受信トレイ |
| 返信元の切替 | アカウントごとに自動 | 「送信元アドレスの追加」が必要 |
| マルチ受信トレイ | 非対応 | 対応(PC限定) |
注意点
転送は“これから届く分”だけ
転送設定より前に届いていた過去メールは移りません。過去分も移したいときは、Web版の「メールと連絡先のインポート」(1回きり・継続同期なし)を使います。
追加アドレスは5件まで
1つのGmailに追加できる他アドレスの上限は5件です。数が多いなら、集約先を分ける・デスクトップアプリを使うなどを検討します。
仕事用は規約の確認を
会社支給のアカウントは、社外への転送が禁止されている場合があります。勝手に個人Gmailへ転送しないようにします。
迷惑メール判定に注意
転送を挟むと、まれに迷惑メール扱いが変わることがあります。重要なサブは、ちゃんと届くか最初にテストします。
本当に1画面で束ねたいならデスクトップメールアプリ
「転送で1か所に集める」のではなく、スマホアプリのように各アカウントを束ねて表示したいなら、PCではデスクトップのメールアプリ(Thunderbird、Outlook、Macの「メール」など)が近道です。各GmailをIMAPで追加すれば、多くのアプリに「統合受信トレイ(Unified Inbox)」があり、ブラウザ版Gmailに無い横断ビューを実現できます。ブラウザだけで完結させたいなら転送方式、アプリを使ってよいなら統合受信トレイ、と使い分けます。
Gmailの「全ての受信トレイ」PC版に関するよくある質問
PCのGmailで複数アカウントを1つの受信トレイにまとめられますか?
まとめられます。ただしスマホの「全ての受信トレイ」のような専用機能はないため、サブアカウントからメインへ自動転送し、フィルタ・ラベル・マルチ受信トレイで仕上げる形になります。返信元も揃えたいなら「送信元アドレスの追加」を併用します。
「マルチ受信トレイ」を使えば複数アカウントを統合できますか?
できません。マルチ受信トレイは1つのアカウントの受信トレイを検索条件でセクション分けする機能で、別アカウントのメールを持ってくるものではありません。まず転送で集めてから、仕上げに使う機能だと考えてください。
POPで他アカウントを取り込む方法ではダメですか?
これから作るならおすすめしません。「他のアカウントのメールを確認(POP)」とGmailifyは廃止予定で、新規は2026年第1四半期以降は使えず、既存も2027年1月までです。将来使えなくなるので、転送方式で作る方が安全です。
転送すると元のアカウントからメールは消えますか?
設定次第です。転送設定のときに「コピーを残す」か「削除する」かを選べます。通常はコピーを残す設定にしておけば、元のアカウントにもメールが残ります。
スマホの「全ての受信トレイ」が表示されません。
複数のアカウントをGmailアプリに追加していないと出ません。アカウントを2つ以上追加したうえで、左上のメニューを開き、上部にある「全ての受信トレイ」を選んでください。
まとめ
PC(ブラウザ版)Gmailには、スマホの「全ての受信トレイ」と同じワンクリックの統合ビューはありません。しかし、サブ→メインの自動転送で受信を1か所に集め、送信元アドレスの追加で返信を揃え、フィルタ・ラベル・マルチ受信トレイで仕上げると、実質的に同じ「1つの受信トレイ」を作れます。ここでPOP取り込みやGmailifyは2026〜2027年にかけて廃止されるため、古い手順を真似ず転送方式で組むのが安全です。ブラウザだけにこだわらないなら、デスクトップメールアプリのIMAP+統合受信トレイも有力な選択肢になります。
参考リンク
- Gmailヘルプ: マルチ受信トレイでメールを管理する
- Gmailヘルプ: Gmailify と POP の変更について
- Gmailヘルプ: パソコンで別のメールアカウントを追加する
- 関連記事: メールが迷惑メールに入ってしまう理由