ソフトウェア 公開日 2026.09.12 更新日 2026.09.12

Search Consoleの平均掲載順位を自分で計算すると合わない|上位の行だけで平均を出すと3.9倍ずれる

クリックの多い順に並べた上の方の行だけで平均掲載順位を出すと、実態よりかなり良い数字になります。クリックは順位が良いほど付くので、測りたいものと相関する条件で標本を選んでしまうためです。作例では上位5行の平均4.46位に対し全行の加重平均は17.30位でした。正しい出し方と、アンカー付きURLが表示回数に混ざる話までまとめます。

先に要点

  • クリックの多い順に並べた上の方の行だけで平均掲載順位を計算すると、実態よりかなり良い数字が出ます。クリックは順位が良いほど付きやすいので、測りたいものと相関する条件で標本を選んでしまっているからです。
  • 作例で計算すると、クリック上位5行の単純平均は4.46位、全200行を表示回数で加重した平均は17.30位でした。約3.9倍の差です。上位5行が占める表示は全体の26%しかありません。
  • 表の行を足しても、上に出ている総計にはなりません。表示できる行数に上限があり、プライバシー保護のために匿名化されたクエリは行として出てこないためです。
  • 見出しへのリンクが検索結果に出ると、同じページがアンカー付きの別URLとして数えられることがあります。表示だけ増えてクリックが付かないので、サイト全体のクリック率が実際より低く見えます。

Search Console の数字を自分で集計したら、画面に出ている値と合わない。あるいは集計して人に渡したあとで、実態と違うと指摘された。原因はたいてい計算式ではなく、どの行を数えたかにあります。

この記事では、平均掲載順位がずれる仕組みを作例の計算で示し、正しく出す手順と、数字を人に渡すときに何を添えるべきかを整理します。

クリックで選んだ時点で、標本が偏っている

平均掲載順位を出したいとき、まずやりたくなるのが「主要なクエリの平均」です。クリックの多い順に並べて、上から何行かを取る。素直な発想に見えます。

しかしこれは測りたいものと直接つながっている条件で、標本を選んでいることになります。クリックは順位が良いほど付きやすい。だからクリックで上位を切り出すと、順位の良い行だけが残るのは当たり前です。

数字で見ると効き方が分かります。次の構成で計算しました。読者が同じ計算を再現できるようにするための作例で、実測値ではありません。

  • クリックのある行を5行。表示は900から300、順位は2.4位から7.2位
  • クリックが付いていない長い尾を195行。1行あたり表示40、順位は18位台
出し方 平均掲載順位
クリック上位5行の単純平均 4.46
全200行を表示回数で加重した平均 17.30
全200行の単純平均 21.52

上位5行が占める表示は2,700、全体10,500の25.7%です。残る74%を一度も数えないまま「このサイトの平均順位は4.5位です」と言っていることになります。

尾が長いサイトほど差が開きます。一問一答型や用語集のようにページ数が多くて1ページあたりの表示が小さいサイトでは、この形になりやすいので注意してください。

行を足しても総計にならない

もう1つ、集計の前提を崩す仕様があります。表に出ている行の合計は、上に表示されている総計と一致しません。Google 検索セントラルが理由を説明しています。

  • 表示できる行数に上限があります。画面上は1,000行までで、それより小さいものは表から落ちます
  • 匿名化されたクエリがあります。個人を特定しうる稀な検索語はプライバシー保護のため行として出ません。総計には含まれますが、数えられません
  • 絞り込みや集計単位を変えると、同じ数字でも組み替わります。ページ単位とクエリ単位では、集計のされ方が違います

つまり「行を全部足したのに合わない」は不具合ではなく、そういう作りです。総計が欲しいなら総計の行を読み、内訳が欲しいなら行を読む。混ぜないでください。

順位そのものの定義も確認しておく

Search Console掲載順位は、検索結果の中でそのサイトやページが占めた最も上の位置を、表示ごとに平均した値です。1回の検索で複数の場所に出たときは、いちばん上だけが記録されます。

また、同じページの URL の変種は、Google が選んだ正規 URL に集約されます。パソコン用とスマートフォン用で URL が分かれていても、別々に数えられるわけではありません。

アンカー付きのURLが別の行になる

Google が検索結果に「このセクションに移動」のようなリンクを出すことがあります。このとき、同じページに対して、本体の URL と見出しのアンカーが付いた URL が別々に記録されることがあります。公式の説明は、検索結果の中のそれぞれ異なる URL は別々に数えるというものです。

何が困るかというと、次のようになります。

  • 表示だけ増えます。アンカー付きの行は、本体と同じ1回の露出を別の行として持つことがある
  • クリックはほとんど付きません。読者は本体のリンクを押すことが多い
  • 結果としてサイト全体のクリック率が、実際より低く計算されます

対処は難しくありません。ページ別の表で、URL に # が入っている行を分けて数えるだけです。表計算に貼って、URL 列に # を含むかどうかで列を1つ増やせば、その行が表示全体の何%を占めているか分かります。

割合はページによって大きく違います。サイト全体の1つの補正値で片づけようとせず、ページ単位で見てください。

正しく出す手順

  1. 総計が欲しいのか、内訳が欲しいのかを先に決める。総計なら画面の合計値をそのまま使う
  2. 自分で平均を出すなら、エクスポートした全行を使い、表示回数で加重する。単純平均にすると表示の少ない行が同じ重さで効いてしまう
  3. アンカー付きの行を分けて数える。含めるか外すかを決めて、決めた方を書き残す
  4. 期間の開始日と終了日を控える。窓が数日違うだけで数字は動く
  5. 出した値を、画面に出ている総計と突き合わせる。桁が違うなら、数え方のどこかが間違っている

数字を人に渡すときに添えるもの

集計値を1つだけ渡すと、受け取った側は前提を確認できません。次の4つを必ず添えてください。

  • 出所。どの画面、どのエクスポートから取ったか
  • 期間。開始日と終了日。「直近3か月」ではなく日付で書く
  • 母数。何行を使ったか。全体の何%にあたるか
  • 算出方法。加重したのか単純平均か。何を除外したか

標本の一部しか使っていないなら、その割合を明記します。書けないなら、その数字は出さない方が安全です。一度渡した数字は、あとから訂正しても先に伝わった方が残ります。

平均掲載順位の集計に関するよくある質問

Q. 単純平均ではなく表示回数で加重するのはなぜですか?

順位は表示1回ごとに発生している値だからです。表示40回の行と表示900回の行を同じ重さで平均すると、めったに出ないクエリがサイト全体の評価を左右してしまいます。

Q. 上位のクエリだけ見るのは、どんなときなら正しいですか?

「上位のクエリの順位」を知りたいときです。その場合は結論もその言葉で書きます。サイト全体の代表値として扱わなければ、標本を絞ること自体は問題ありません。

Q. アンカー付きの行は、除外すべきですか?

目的によります。クリック率を評価するなら、混ざったままだと構造的に低く出ます。露出の総量を見たいなら含めたままでも構いません。大事なのは、どちらにしたかを書き残すことです。

Q. 画面の値とエクスポートの値が合いません。

行の上限と匿名化クエリの影響をまず疑ってください。行の合計が総計に一致しないのは正常な挙動です。それでも大きく食い違うなら、期間の窓と絞り込み条件が同じかを確認します。

まとめ

平均掲載順位がずれる原因は、計算式ではなくどの行を数えたかにあります。クリックで選んだ標本は、順位の良い側へ構造的に偏ります。作例では約3.9倍の差が出ました。

やることは3つです。全行を使う。表示回数で加重する。使った範囲を書き添える。この3つを守れば、自分の集計を人に渡せる数字にできます。

参考リンク

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