先に要点
AWSって何から設定すればいいの? とりあえずEC2を立てれば始められる? 最初に忘れると危ないものは何? という疑問はかなり自然です。
実際、AWSはできることが多いぶん、最初に 何を立てるか より 何を先に守るか を決めておかないと、あとで運用が崩れやすくなります。
この記事では、2026年4月26日時点のAWS公式ベストプラクティスをもとに、AWSで最初に必ずやるべきことを整理します。
個別のサービス用語から先に押さえたい場合は、AWSで最初に覚えたい基本用語まとめ|EC2・IAM・S3・VPCのつながりを整理 もつながります。
まず結論
AWSで最初にやるべきことは、サービスを増やす前に次の土台を作ることです。
- rootユーザーを守る
- 人間の入口を分ける
- 権限を広げすぎない
- 誰が何をしたか追えるようにする
- 請求とバックアップを先に見る
この順で考えると、あとからEC2、RDS、S3、Lambdaを増やしてもだいぶ安定します。
1. rootユーザーを普段使いしない
AWS公式では、アカウント作成直後から AWS account root user を everyday tasks に使わない ことが強く勧められています。
rootユーザーは、
- すべてのサービスに無制限アクセス
- 請求情報も含めた完全権限
- 一部の特別操作も可能
という最強権限です。
だからこそ、便利だからこれで全部やる ではなく、普段は触らない 状態にするのが最初の基本です。
最低限やること
- rootパスワードを強くする
- rootに MFA を入れる
- rootの回復用メールと電話番号の管理を決める
- rootアクセスキーは作らない
特に最近のAWS公式では、root user に MFA を必須で入れる方向がかなり強く出ています。
この部分は、あとでやる ではなく最初に終わらせた方がいいです。
2. 管理者作業の入口をrootから分ける
rootを使わないと言っても、では誰がAWSを触るのか、という話になります。
AWS公式では、rootの代わりに管理者用の入口を作ることが勧められています。
最近のベストプラクティスでは、人間ユーザーの入口は IAM Identity Center を中心に考える流れがかなり自然です。
ここで大事なのは、とりあえずIAMユーザーを人数分作る だけで終わらないことです。
なぜ分けるのか
分けておくと、
- rootの利用を本当に例外にできる
- 誰が触ったかを追いやすい
- 権限の付け替えや退職者対応がしやすい
- 一時認証情報中心に寄せやすい
からです。
このあたりの土台になるのが IAM です。
詳しくは IAMとは?AWSでユーザー・グループ・ロール・ポリシーをどう使い分けるのか でも整理しています。
3. AdministratorAccess を配りすぎない
AWSを始めたばかりだと、何でも触れる方が早いので、つい広い権限を配りがちです。
でも公式のIAMベストプラクティスでも、least privilege、つまり最小権限が強く勧められています。
最初に意識したいこと
- 人間の常用入口は一時認証情報中心
- ワークロードはロール中心
- 長期アクセスキーは必要最小限
- 権限は広く配って固定しない
特に、ひとまず全員管理者 のまま運用が伸びると、あとで誰の操作か分からなくなったり、事故の範囲が大きくなったりします。
最初は多少面倒でも、読むだけ、デプロイだけ、監査だけ のように分けていく方が後が楽です。
4. CloudTrailを見える状態にする
AWSで最初にやるべきこととして、CloudTrail はかなり重要です。
理由はシンプルで、AWSでは 誰が何をしたか を後から追えることが運用の土台になるからです。
たとえば、
を追いたいとき、CloudTrailが入口になります。
ここで誤解しやすい点
CloudTrailは便利ですが、有効にしたら全部を永久保存してくれる わけではありません。
AWS公式でも、イベント履歴、Trail、保存先設計、暗号化、削除保護まで含めて考えることが勧められています。
そのため、AWSを複数人で触るなら、CloudTrailは あとで考える監査 ではなく、最初に敷くべき操作履歴 と考えた方がいいです。
詳しくは CloudTrailとは?AWSで誰が何をしたか追う監査ログの基本 で整理しています。
5. コストの見張りを入れる
AWSは、使い始めの小さな検証でも、
で課金が積み上がることがあります。
だから まだ本番じゃないから大丈夫 ではなく、最初から請求アラートや予算管理を入れる 方が安全です。
AWS公式の Budgets ベストプラクティスでも、予算の期間を請求サイクルに合わせることや、予測を含めて早めに見ることが勧められています。
最低限の考え方
- 月額の上限目安を決める
- 予算超過前の通知を入れる
- 誰に通知するかを決める
- 検証環境の停止ルールを決める
この4つだけでも、かなり事故が減ります。
6. バックアップと復旧を後回しにしない
AWSはクラウドなので安心、と思われがちですが、バックアップ設計は別で必要です。
たとえば、
のように、サービスごとに守り方が違います。
特に実務では、壊れない より 壊れても戻せる の方が重要です。
その意味で、AWSを触り始めたら、構築と同時に バックアップ と復旧手順を考えておく方が安全です。
7. 複数アカウントの前提を早めに持つ
1人で小さく始める間は、1アカウントでも回せます。
ただ、AWS公式では、チーム運用や環境分離では複数アカウント戦略がかなり重要視されています。
ここで言いたいのは、いきなり大規模構成にしよう、という話ではありません。
むしろ最初の段階で、
- 本番と検証は分けた方がいい
- 請求を分けたい場面がある
- 権限や監査を分けたい場面がある
という発想を持っておくのが大事です。
小さなうちは1アカウントでも、いずれ分ける前提 で命名、タグ、権限、ログの置き方を決めておくと後から苦しくなりにくいです。
8. タグと命名を先に決める
意外と効くのがこれです。
AWSはリソースが増えると、
- どれが本番か
- どれが検証か
- 誰のものか
- 消していいのか
が分からなくなりやすいです。
だから最初に、
- 環境名
- 所有者
- 用途
- コスト配賦用のタグ
を決めておくと、あとでかなり助かります。
これは派手ではないですが、運用の崩れにくさに直結します。
じゃあ最初のチェックリストは何か
迷ったら、まずこの順でやるのがおすすめです。
- rootパスワードを強くする
- rootに MFA を入れる
- rootアクセスキーを作らない
- 管理者用の入口をrootと分ける
- IAM で権限を絞る前提を作る
- CloudTrail を確認する
- 請求アラートや予算通知を入れる
- バックアップ方針を決める
- タグと命名ルールを決める
これだけでも、AWSの初期運用はかなり崩れにくくなります。
2026年4月26日時点の整理
最新のAWS公式情報を踏まえると、今の AWSで必ずやるべきこと は、サービス個別の設定より前に
をそろえることです。
EC2を立てる、RDSを作る、S3を使う、Lambdaを書くのはそのあとでも間に合います。
最初の守りを先に作っておく方が、結果的にずっと速いです。
まとめ
AWSで必ずやるべきことは、まず何のサービスを使うか を決めることではありません。
それより先に、入口、権限、監査、コスト、復旧 の土台を作ることです。
特に最初の一歩としては、
- rootを守る
- MFA を入れる
- IAM を雑にしない
- CloudTrail を見る
- 請求アラートを入れる
この5つを先に終わらせるだけでも、かなり違います。
この記事のあとに一緒に読みたい
- IAMとは?AWSでユーザー・グループ・ロール・ポリシーをどう使い分けるのか
- CloudTrailとは?AWSで誰が何をしたか追う監査ログの基本
- AWSで最初に覚えたい基本用語まとめ|EC2・IAM・S3・VPCのつながりを整理
参考リンク
- AWS Account Management: Using the AWS account root user
- AWS IAM: Root user best practices for your AWS account
- AWS IAM: Security best practices in IAM
- AWS Sign-In: Security best practices for AWS account administrators
- AWS CloudTrail: Security best practices in AWS CloudTrail
- AWS Cost Management: Best practices for AWS Budgets
- AWS Organizations: Best practices for a multi-account environment