ソフトウェア セキュリティ 公開日 2026.09.11 更新日 2026.09.12

Antimalware Service Executableが重いまま下がらない原因を特定する方法|ファンが鳴りやまないPCで実際に調べた手順

Antimalware Service Executable(Microsoft Defender)のCPU使用率がずっと下がらず、ファンが鳴りやまない。無効化や除外設定に手を出す前に、Microsoft公式のパフォーマンスアナライザーで「どのプロセスがスキャンを発生させているか」を特定する手順を、実際のノートPCで測った数値つきで解説します。筆者のPCでは、メーカー製のバックアップ機能が60秒間に1,824回のスキャンを発生させていました。

目次(32項目)

先に要点

  • Antimalware Service Executable(MsMpEng.exe)は Microsoft Defender の本体です。重いのは、ほかのプロセスが開いたファイルを Defender が検査しているからということがあり、その場合の原因は Defender ではなく、ファイルを大量に開いている側にあります。
  • 無効化や除外設定の前に、Microsoft 公式のパフォーマンスアナライザーで、どのプロセスがスキャンを発生させているかを特定します。管理者の PowerShell で2つのコマンドを打つだけです。
  • 筆者の Dell ノートPCでは、Dell SupportAssist の「システム修復」がバックアップのためにシステムファイルを読み続け、60秒間に1,824回のスキャンを発生させていました。オフにすると Defender の CPU 使用率は約12%から0.7%に下がり、ファンも静かになりました。
  • 設定を変える前に、何が失われるか・どう戻すかを必ず確認します。この記事では、試したことの効き目と戻し方をすべて書いています。

何もしていないのにノートPCのファンが回り続ける。タスクマネージャーを開くと、上位に「Antimalware Service Executable」が居座っている。よくある症状です。検索すると「Defender を無効にする」「フォルダーを除外する」といった対処が多く見つかりますが、これは保護を弱めるだけで、Defender にスキャンをさせている原因はそのまま残ります。

この記事では、手元の Dell ノートPCで実際にこの症状を調べ、原因を特定して解消するまでを、測った数値つきで順番に書きます。Dell 固有の設定も出てきますが、原因を特定する手順そのものは、どのメーカーの Windows PC でも使えます。

調べた環境と症状

項目 内容
機種 Dell Inspiron 15 5510(ノートPC)
CPU Intel Core i7-11390H(4コア・8スレッド)
OS Windows 11 Home(ビルド 26200)
ウイルス対策 Microsoft Defender(製品バージョン 4.18.26080.3)
使い方 ほぼ常に電源アダプターにつないだまま
症状 ブラウザーやエディターを開いているだけなのに、ファンが常に回っている

最初に測った数字は次のとおりです(いずれも15秒前後の平均)。

CPU 全体の使用率

約30%

ほとんど操作していない状態でこの値でした。

CPU の動作速度

定格の112〜114%

ブーストがかかったままでした。

Antimalware Service Executable(MsMpEng)

約12%

何度測っても同じ水準でした。

8スレッドの CPU で12%というのは、ほぼ1スレッドぶんを休みなく使い続けている計算です。一時的なスキャンなら使用率に波がありますが、ずっと横ばいなのは「何かが常にスキャンを発生させている」サインでした。

まず数字で見る:何が CPU を使っているか

タスクマネージャーの「プロセス」タブを CPU の列で並べ替えるのが基本です。ただ、一瞬の値は上下するので、筆者は PowerShell で数秒ずつの平均を取りました。管理者権限は要りません。

# プロセスごとの CPU 使用率を15秒ほど平均する(CPU 全体を100%とした値)
$n = (Get-CimInstance Win32_ComputerSystem).NumberOfLogicalProcessors
Get-Counter "\Process(*)\% Processor Time" -SampleInterval 3 -MaxSamples 5 -ErrorAction SilentlyContinue |
  ForEach-Object { $_.CounterSamples } |
  Where-Object { $_.InstanceName -notin "_total", "idle" } |
  Group-Object InstanceName |
  ForEach-Object {
    [pscustomobject]@{
      Name = $_.Name
      CPU  = [math]::Round(($_.Group | Measure-Object CookedValue -Average).Average / $n, 1)
    }
  } |
  Sort-Object CPU -Descending | Select-Object -First 10

CPU がブーストしているかどうかは、次のカウンターで見られます。定格の速さを100とした値で、100を超えていれば定格より高いクロックで動いているということです。

# 定格を100とした CPU の実効速度。100超=ブースト中
Get-Counter "\Processor Information(_Total)\% Processor Performance" -SampleInterval 3 -MaxSamples 5
補足が2つあります

タスクマネージャーは Windows 8 以降、CPU 使用率をこれとは少し違う方法(実際にこなした仕事量ベース)で計算しているため、数字は完全には一致しません。目安として比べてください。また、日本語版 Windows 11 のこの環境では、英語のカウンター名のままで動きました。

この時点で、開発ツールやクラウドストレージの同期アプリなど、ほかの常駐アプリはどれも CPU 1%未満でした。疑うべきは Defender の12%だけです。

最初に試したこと:ファンの動作モード(効果なし)

Dell のノートPCには、ファンと CPU の制御方針を切り替える「サーマルモード」があります。確認すると「超高パフォーマンス」になっていました。Dell のマニュアルでは、4つのモードは次のように説明されています。

モード Dell の説明(要約)
最適化 性能・騒音・温度のバランスを取る標準の設定
冷却(低温) ファンを速めて本体の表面温度を低く保つ。騒音は増え、性能は下がることがある
静音 ファンと CPU の速度を下げて騒音を抑える。性能は下がり、表面温度は上がることがある
超高パフォーマンス CPU とファンの速度を上げて性能を出す。騒音と表面温度は上がることがある

設定の場所は機種と導入済みのアプリで変わります。この PC では、以前の「Dell Power Manager」を開こうとすると「My Dell がインストールされているので、電源の設定は My Dell のホームから行ってください」という旨のメッセージが出てインストールが止まりました。今は My Dell の「消費電力」→「設定」→「サーマル」で切り替えます。Dell SupportAssist の「設定」→「温度とノイズの管理」にも同じ選択肢があります(こちらの画面では「冷却」が「寒色」と表記されていました)。

「最適化」に切り替えましたが、ファンの音はほとんど変わりませんでした。

サーマルモードでは熱の元は止まらない

理由は単純で、サーマルモードは「出た熱をどう冷やすか」の設定であって、熱の元を止める設定ではないからです。CPU が休みなく働いている限り、どのモードでもファンは回ります。

応急処置:CPU のブーストを止める

熱の元を探す前に、発熱そのものを抑える応急処置として、電源プランの「最大のプロセッサの状態」を99%にしました。

# 電源アダプター接続時の CPU の上限を99%にして、すぐ反映する
powercfg /setacvalueindex SCHEME_CURRENT SUB_PROCESSOR PROCTHROTTLEMAX 99
powercfg /setactive SCHEME_CURRENT

# 今の値を確認する(0x00000063=99%、0x00000064=100%)
powercfg /q SCHEME_CURRENT SUB_PROCESSOR PROCTHROTTLEMAX

この環境では管理者権限なしで設定でき、CPU の動作速度は定格の114%から81%に下がりました。元に戻すときは、1行目の 99 を 100 にして同じ2行を実行します。バッテリー駆動時の上限は別の値で、変えるなら setacvalueindex を setdcvalueindex に替えます。

公式に保証された挙動ではない

Microsoft はこの設定(PROCTHROTTLEMAX)を「最大周波数に対する割合で上限を決める」ものと説明しており、効くかどうかはプロセッサの対応次第としています。「99%にするとブーストが止まる」はよく知られた使い方ですが、公式に保証された挙動ではありません。設定したら、上の % Processor Performance が100以下に下がったかで確かめてください。

内容
効くこと 発熱が減る。ブースト時にファンが急に回るのが減る。ブラウザーや文書作成くらいなら体感差はほぼない
失うこと CPU を短時間だけ全力で使う処理(ビルド、動画の書き出し、3D や CAD など)が遅くなる
注意 今の電源プランにだけ効く。別のプランに切り替えると元の値に戻る

ただし、これは対症療法です。Defender の12%は減っていないので、原因を探します。

本題:Defender に「何が」スキャンさせているかを特定する

Defender が重くなる仕組み

Defender のリアルタイム保護は、ファイルが開かれたり実行されたりするたびに中身を検査します。つまり、別のプロセスがファイルを大量に読むと、そのぶん Defender の仕事が増えます。タスクマネージャーでは Defender が重く見えますが、原因はファイルを大量に開いている側にあることがあるわけです。

見えているもの

タスクマネージャーでは Antimalware Service Executable が CPU を使っているように見える。

実際に起きていること

別のプロセスがファイルを次々に開き、Defender がその1ファイルごとに検査している。

だから

Defender を止めても原因は残る。ファイルを開いている側を特定して止めるのが本筋。

この記事で突き止めた構図を、先に図にしておきます。

原因 Dell SupportAssist 「システム修復」のサービス シャドウコピーから読む WinSxS の DLL・.mui システムファイルを1つずつ開く 1ファイルごとに検査 Defender(MsMpEng) CPU 約12%(ほぼ1スレッド分) 熱が出続ける ファンが回り続ける
Defender は「重く見える側」。止めるべきは一番上の原因

Microsoft 公式の調査ツールを使う

Microsoft は Defender 用にパフォーマンスアナライザーを用意しています。どのファイル・拡張子・プロセスがスキャン時間を使っているかを記録して集計するツールで、Windows 10 / 11 に PowerShell のコマンドとして入っています(Defender のプラットフォームバージョン 4.18.2108.7 以降)。

スタートメニューで PowerShell を右クリックして「管理者として実行」を選び、次の2つを実行します。

# 60秒間、Defender のスキャンを記録する(管理者の PowerShell で実行)
New-MpPerformanceRecording -RecordTo "$env:TEMP\defender.etl" -Seconds 60

# 記録を集計する:スキャンを発生させたプロセス・ファイル・拡張子の上位
Get-MpPerformanceReport -Path "$env:TEMP\defender.etl" -TopProcesses 10 -TopFiles 10 -TopExtensions 10
  • -Seconds を付けないと、Enter キーを押すまで記録を続けます(Microsoft の手順ではこちらが基本形です)
  • 管理者でない PowerShell で実行すると「Access is denied」(0x80070005)で止まります
  • 記録するだけで、Defender の設定は何も変わりません。60秒の記録で、ファイルは約3MBでした

記録の結果

プロセス スキャン回数 スキャン時間の合計
DellSupportAssistRemedationService.exe 1,824回 約56.6秒
(プロセス名の記録なし) 1,265回 約9.9秒
その他8プロセス(svchost.exe など)の合計 1,035回 約0.65秒
スキャン時間の合計(記録は60秒) Dell SupportAssist 約56.6秒 (プロセス名の記録なし) 約9.9秒 その他8プロセスの合計 約0.65秒 0秒 60秒
棒の全体=記録した60秒。1位のプロセスだけでほぼ埋まる

60秒の記録に対して、1位のプロセスだけでスキャン時間が約57秒あります。Defender はほぼこのプロセスのためだけに働いていたことになり、約12%(1スレッドぶん)という数字ともぴったり合います。

スキャンされたファイルを見ると、上位はすべて次のようなパスでした。2位の「プロセス名の記録なし」の行も、対象は同じ場所です。

\Device\HarddiskVolumeShadowCopy9\Windows\WinSxS\(中略)\*.dll
\Device\HarddiskVolumeShadowCopy9\Windows\WinSxS\(中略)\*.mui

拡張子別では、DLL が大文字・小文字の表記ゆれを合わせて2,375回・約51.6秒と大半を占め、.mui(483回・約9.4秒)、.exe(170回・約4.1秒)が続きます。

HarddiskVolumeShadowCopy は、Windows のボリュームシャドウコピー(VSS)で作られた、ある時点のドライブのスナップショットです。バックアップソフトは、PC が動いている最中でも一貫した状態のファイルを読み出すためにこれを使います。WinSxS は Windows のシステムファイルが格納されているフォルダーです。

つまり、Dell のサービスがシャドウコピーからシステムファイルを1つずつ読み出してバックアップを作り、その1ファイルごとに Defender が検査していたというのが、記録から読み取れる構図です。

Microsoft の注意書き

このツールは「除外設定を提案するためのものではない」とされています。除外は保護レベルを下げるので慎重に、というのが Microsoft の立場です。原因がわかったら、Defender 側で除外するのではなく、原因のプロセス側を止めます。

原因:Dell SupportAssist の「システム修復」

記録に出てきたのは、Dell SupportAssist の一部である「SupportAssist Remediation」のサービスです。Dell のマニュアルによると「システム修復」は、重要なシステムファイルをバックアップしておき、PC の動作が遅くなった・クラッシュするといった問題が起きたときに、以前の正常な状態へ戻すための機能です。バックアップに使う容量は選べて、この PC の設定画面では 12GB・15GB(推奨)・18GB の3択でした。

オフにする手順

  1. 1
    Dell SupportAssist を開く

    スタートメニューから「Dell SupportAssist」を起動します。

  2. 2
    「設定」から「システム修復」を開く

    設定画面に並ぶカードのうち「システム修復」の「開始する」を押します。設定画面が開くだけで、何かの処理が始まるわけではありません。

  3. 3
    スイッチをオフにする

    「システム修復は有効です」の横にあるスイッチを切ります。

  4. 4
    確認画面で承諾する

    「作成されたバックアップはすべて削除され、その分の空き容量が確保されます」という確認が出るので、内容を読んだうえで承諾します。

Dell のマニュアルにも、オフにすると作成済みのバックアップが削除され、使っていた容量が解放されると書かれています。

結果

  • Defender(MsMpEng)の CPU 使用率:約12% → 0.7%
  • SupportAssist Remediation のサービス:CPU 使用率の上位から消えた
  • C ドライブの空き容量:129GB → 154GB(主にバックアップが削除された分)
  • ファン:数分でほぼ聞こえなくなった

オフにした直後の数分間は、バックアップの削除処理そのもので CPU 使用率が一時的に上がりました(全体で約58%)。削除が終わるのを待ってから測り直してください。

オフにして何が失われ、何が残るか

失われるもの

Dell のバックアップから以前のシステム状態に戻す機能と、そのバックアップ。Dell の説明では対象は重要なシステムファイルで、写真や文書などの個人ファイルを守る機能ではありません。

残るもの

Windows 自体の回復機能(個人ファイルを残したまま Windows を入れ直す「このPCをリセット」など)。回復用のパーティションもそのまま残ります。

戻し方

同じ画面でスイッチをオンに戻せば、また新しくバックアップが作られます。確認画面にも「いつでもオンに戻せる」と書かれていました。

その後の確認

ファンがまたうるさくなったら、まずこの設定がオフのままかを見ます。そのうえで、同じ手順で記録を取り直します。

アンインストールではなくオフを選んだのは、Dell のマニュアルに書かれている正規のやめ方がこちらで、バックアップの削除まで一度に済むからです。SupportAssist 本体のほかの機能(ドライバーの更新や診断)は、そのまま使えます。

念のため:故障ではないことも確かめた

「修復の機能を切る」ことに不安があったので、ハードウェアに問題が出ていないかも確認しました。どれも管理者権限なしで実行できます。

# SSD / HDD の健康状態(Healthy なら正常)
Get-PhysicalDisk | Select-Object FriendlyName, HealthStatus, OperationalStatus

# 過去30日の予期しないシャットダウン(Kernel-Power 41)の件数
(Get-WinEvent -FilterHashtable @{LogName="System"; ProviderName="Microsoft-Windows-Kernel-Power"; Id=41; StartTime=(Get-Date).AddDays(-30)} -ErrorAction SilentlyContinue | Measure-Object).Count

結果は、SSD が「Healthy」、予期しないシャットダウンは0件、ディスク関連のエラーも過去30日で0件でした。ファンがうるさかったのは故障ではなく、ソフトウェアの動作が原因だったと言えます。

ついでに見直したもの:サポートが終了した SmartByte

調べる途中でプロセスごとの I/O も見たところ、SmartByteTelemetry というプロセスが毎秒約490回の読み込み操作を続けていました。SmartByte は通信の優先度を調整するソフトで、この PC に入っていたのは v3.1.995 です。

Dell は、SmartByte v3.1.1122 以前のセキュリティサポートを2023年9月30日に終了しています。同じような機能が必要なら Intel Connectivity Performance Suite への移行を案内しており、サポートがEOLを迎えたソフトを動かし続ける理由はないので、アンインストールしました。なお、SmartByte の CPU 使用率は1%未満で、ファンの原因ではありませんでした。

SmartByte のアンインストール

  1. 1
    2つともアンインストールする

    「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」で「SmartByte」を検索すると、「SmartByte」と「SmartByte Drivers and Services」の2つが出るので、両方アンインストールする。

  2. 2
    既定の選択のまま進める

    途中で「SmartByteTelemetry を閉じる必要がある」と表示されたら、既定の選択(自動的に終了する)のまま進める。

  3. 3
    再起動する

    再起動して、アンインストールを完了させる。

サービスが2つ残っていた

注意点は、アンインストールと再起動のあとも、サービスが2つ残って自動起動していたことです(SmartByte Analytics Service と SmartByte Network Service x64)。次のコマンドで残っていないか確認できます。

Get-Service | Where-Object { $_.DisplayName -like "*SmartByte*" } | Select-Object Name, Status, StartType

残っていた場合は、services.msc を開いて各サービスの「スタートアップの種類」を「無効」にし、「停止」を押します。Dell のコミュニティには、SmartByte が再インストールされたという報告もあるので、サービスを無効にしておくと確実です。

効かなかったこと・やらなかったこと

試したこと・検討したこと 結果 理由
サーマルモードを「最適化」に変更 ほぼ変化なし 熱の元(Defender の12%)が止まらないため
Windows の省エネ機能をオン 試していない Microsoft の説明では、電源接続中に変わるのは画面の明るさ(30%減)、透明効果のオフ、電源モードの固定が中心。アプリのバックグラウンド動作の制限は、電源を抜いていて電池残量が少ないときだけ
Defender の無効化・除外設定 やらない 保護が下がるうえ、原因は別のプロセスにあった
開発ツールなど常駐アプリの停止 不要だった どれも CPU 1%未満で、原因ではなかった

対策前後の比較

項目 対策前 対策後
CPU 全体の使用率(ほぼ操作していない状態) 約30% 約16%
Defender(MsMpEng)の CPU 使用率 約12% 0.7%
CPU の動作速度(定格比) 112〜114% 67〜81%
C ドライブの空き容量 129GB 154GB
ファン 回り続ける ほぼ聞こえない

動作速度の低下には、ブースト停止(上限99%)の効果も含まれています。原因を取り除いたあとは、上限を100%に戻しても、以前のようにファンが回り続けることはないはずです。

重い処理をよくするなら

上限を100%に戻す

ビルドや動画の書き出しなど、短時間だけ全力で使う処理が速くなります。

静かさを優先するなら

99%のまま

ブーストを止めたまま使う、という選び方で構いません。

ほかの PC でも使える切り分けの順番

Defender が重くなる原因は、大量のファイルを読み書きするソフトであることが多く、バックアップ、クラウドストレージの同期、開発ツールのビルドやパッケージのインストールなどが典型です。今回のように、メーカー製の常駐機能が原因になることもあります。どの場合も、調べる順番は同じです。

Defender がずっと重いときの調べ方

  1. 1
    数字で見る

    15秒ほどの平均で、CPU 使用率の上位プロセスと、定格比の動作速度を確認します。一時的な波なのか、ずっと横ばいなのかを見分けます。

  2. 2
    熱の設定を確認する

    メーカーのサーマルモードや Windows の電源モードが高性能寄りになっていないかを見ます。ただ、ここを変えても直らなければ、熱の元は別にあります。

  3. 3
    Defender が上位なら記録を取る

    管理者の PowerShell でパフォーマンスアナライザーを60秒ほど回し、スキャンを発生させているプロセスとファイルを特定します。

  4. 4
    原因のプロセス側で止める

    提供元の設定画面でオフにするのが基本です。先に、何が失われるか・どう戻すかを確認します。

  5. 5
    除外は最後の手段にする

    どうしても止められない業務ソフトなどに限り、Microsoft の注意事項を読んだうえで最小限にします。

  6. 6
    同じ方法で測り直す

    対策の前後を同じコマンドで測り、数字で効果を確かめます。

Antimalware Service Executable が重いときのよくある質問

Antimalware Service Executable を無効にすれば直りますか?

一時的に静かになっても、おすすめしません。Defender は PC をマルウェアから守る仕組みで、止めればその間は無防備になります。しかも、今回のようにスキャンを発生させている別のプロセスがあれば、原因はそのまま残ります。まず記録を取り、原因のプロセス側で対処してください。

除外設定に追加すればいいのではありませんか?

Microsoft はパフォーマンスアナライザーについて「除外を提案するためのツールではない」とし、除外は保護レベルを下げるので慎重に定義するよう求めています。今回スキャンされていたのはシステムファイルの DLL で、DLL は Microsoft が「除外すべきでない拡張子」に挙げている種類でもあります。除外より、原因のプロセスを止めるほうが安全です。

システム修復をオフにして、いざというときに困りませんか?

失われるのは Dell のバックアップから戻す手段だけで、Windows 自体の回復機能は残ります。本当に守るべきは写真や文書などの個人ファイルなので、そちらはクラウドや外付けドライブへのバックアップを別に用意しておくのが確実です。必要ならいつでもオンに戻せます。

Dell 以外のパソコンでも同じ方法で調べられますか?

調べられます。パフォーマンスアナライザーは Windows 10 / 11 の Microsoft Defender の機能なので、メーカーは関係ありません。原因のプロセスは環境によって違い、バックアップソフト、クラウド同期、開発ツールなどが上位に出ることもあります。

記録を取ると、パソコンに何か影響はありますか?

設定は何も変わりません。記録中の60秒間も普段どおり使えます。記録ファイル(例では一時フォルダーの defender.etl)は約3MBで、調べ終わったら削除して構いません。

まとめ

Antimalware Service Executable がずっと重いとき、Defender そのものに問題があるとは限りません。Defender は開かれたファイルを検査しているだけで、スキャンを発生させている別のプロセスがいることがあります。

筆者のノートPCでは、Dell SupportAssist のシステム修復がバックアップのためにシステムファイルを読み続けていました。それをオフにしただけで、Defender の CPU 使用率は約12%から0.7%に下がり、ファンも静かになりました。ファンのモード変更やブースト停止は応急処置にはなりますが、熱の元は止まりません。

無効化や除外に手を出す前に、Microsoft 公式のパフォーマンスアナライザーで原因のプロセスを特定する。それが、保護を下げずに静かにするいちばんの近道です。

参考リンク

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